手術時に伴うG型肝炎ウイルス感染検討

輸血に関連して感染するウィルスとしてG型肝炎ウィルス(HGV)が発見された. G型肝炎ウイルスはC型肝炎ウイルスに近いプラス鎖RNAウイルスで, Flaviviridaeウイルスに属する1)2). 非A-E肝炎患者血液より分離され, 劇症肝炎・輸血後肝炎の原因ウイルスと注目されたが3)4), その後の報告で肝炎ウイルスとしての意義はいまだ不明な点が多い5). 日本赤十字社血液センター供血者におけるHGVキャリアーの頻度は約1%とされている6)7). 今回, 手術時輸血によるHGV感染と臨床意義につき検討したので報告する. 対象・方法 自治医科大学付属大宮医療センターで, 96年4月より97年9...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1998, Vol.44 (6), p.693-696
Hauptverfasser: 藤原俊文, 二神信夫, 砂川浩, 讃井将満, 大塚祐史, 村山隆紀, 谷口良久, 瀬尾憲正, 岩田明子, 加藤尚美, 飯塚久雄, 田中建志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:輸血に関連して感染するウィルスとしてG型肝炎ウィルス(HGV)が発見された. G型肝炎ウイルスはC型肝炎ウイルスに近いプラス鎖RNAウイルスで, Flaviviridaeウイルスに属する1)2). 非A-E肝炎患者血液より分離され, 劇症肝炎・輸血後肝炎の原因ウイルスと注目されたが3)4), その後の報告で肝炎ウイルスとしての意義はいまだ不明な点が多い5). 日本赤十字社血液センター供血者におけるHGVキャリアーの頻度は約1%とされている6)7). 今回, 手術時輸血によるHGV感染と臨床意義につき検討したので報告する. 対象・方法 自治医科大学付属大宮医療センターで, 96年4月より97年9月までの18ヵ月間に手術時輸血を施行した146例を対象とした. 術前および術後4週間は可及的に1週間毎に採血し, 以後は検査時血液を用いた. 血清を分離し-20℃に凍結保存し術前及び術後4週間までの血中HGV-RNA検索を行ない, 陽性例では引き続き経過観察した. HGV-RNA測定:患者血清25μ中HGV-RNA(NS3)をNested PCRにて測定した. 陽性例では患者血清をTE Buffer(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)で, 最大10^3 倍まで希釈測定し, 判定は以下のごとくとした. 1+:血清未希釈, 2+:血清10倍希釈, 3+:血清10^2 倍希釈, 4+:血清10^3 倍希釈以上で陽性
ISSN:0546-1448