輸血製剤の有効利用をめざして
目的:当院では輸血製剤の有効利用, 輸血業務の効率化を目的として, 1995年9月よりType&Screen(以下T&S)を試行し, 同年10月より本格的に導入した. 今回は導入前6ヵ月と導入後1年の輸血業務に伴う数的変化について検討したので報告する. 方法:T&S導入にあたり名古屋大学医学部付属病院輸血部助教授高松純樹先生に医師, 看護婦, 臨床検査技師を対象として輸血に関する勉強会を頻回にしていただき, 院内での‘T&S’に対する考え方の統一を図った. 対象:T&S導入前6ヵ月と導入後1年(誠行期間1ヵ月は除く)を比較するため赤血球MAP製剤について...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1998, Vol.44 (5), p.640-641 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:当院では輸血製剤の有効利用, 輸血業務の効率化を目的として, 1995年9月よりType&Screen(以下T&S)を試行し, 同年10月より本格的に導入した. 今回は導入前6ヵ月と導入後1年の輸血業務に伴う数的変化について検討したので報告する. 方法:T&S導入にあたり名古屋大学医学部付属病院輸血部助教授高松純樹先生に医師, 看護婦, 臨床検査技師を対象として輸血に関する勉強会を頻回にしていただき, 院内での‘T&S’に対する考え方の統一を図った. 対象:T&S導入前6ヵ月と導入後1年(誠行期間1ヵ月は除く)を比較するため赤血球MAP製剤について以下を調べた. 1)購入単位数, 2)血液センターへの返却単位数, 3)血液センターへの返却率, 4)交差適合試験単位数, 5)使用単位数, 6)C/T比, 7)クロスマッチによる使用率, 8)T&Sによる使用率 結果:T&S導入前6ヵ月と導入後1年の平均値の数字的変化は明らかだった. 特に返却率は11.0%から3.5%, 交差適合試験単位数は617.5単位から159.9単位, C/T比:は2.4から0.6へと著しい減少がみられた. またT&S導入後のクロスマッチ対応で払い出した赤血球MAPの88.9%が使用され, T&S対応で払い出した赤血球MAPの88.0%が使用された. 考察・まとめ:T&S導入後のこれら一連の数字的変化から分かるように‘Type&Screenの考え方’は当院で普及し, 定着している. 1年5ヵ月が経ち, 臨床サイドでの輸血に対する考えもかなり定着してきた. これは当院の輸血払い出しシステムが2本立てになっており, 必ず使う輸血に関してはクロスマッチ依頼を, 輸血の可能性の少ないものに関してはT&S対応で輸血に備えるという考え方が浸透したため‘輸血確保’が無くなり, 血液製剤を有効利用できるようになった. また, より迅速に適合血を臨床サイドへ提供できるようになった. 今後の課題としては, クロスマッチ対応で若干の未使用があるので, 更にT&Sを押し進めてクロスマッチ対応での使用率を100%に近づけたい. |
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ISSN: | 0546-1448 |