非溶血性輸血副作用惹起患者血清中の抗血漿タンパク質抗体の検出(第二報)
日本赤十字社血液センターでは, 医薬情報ネットワークを通じて, 輸血副作用情報を収集し, 原因究明の努力を行っている. 今回, 非溶血性副作用惹起患者の血清中の抗血漿タンパク質抗体の有無を分析し, 副作用発生との関連について検討したので報告する. 1997年4月から11月までに, 当センター該当項目について検査依頼のあった非溶血性輸血副作用症例386例を対象とした. これらについて, 欠損の検査を目的としたタンパク質含量試験, オクタロ二ー, 免疫電気泳動, EUSA, Western blot による抗体検査, および総 IgE 含量の測定を行った. 副作用症状の内訳は, アナフィラキシ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 日本赤十字社血液センターでは, 医薬情報ネットワークを通じて, 輸血副作用情報を収集し, 原因究明の努力を行っている. 今回, 非溶血性副作用惹起患者の血清中の抗血漿タンパク質抗体の有無を分析し, 副作用発生との関連について検討したので報告する. 1997年4月から11月までに, 当センター該当項目について検査依頼のあった非溶血性輸血副作用症例386例を対象とした. これらについて, 欠損の検査を目的としたタンパク質含量試験, オクタロ二ー, 免疫電気泳動, EUSA, Western blot による抗体検査, および総 IgE 含量の測定を行った. 副作用症状の内訳は, アナフィラキシーショックおよびショック78例, アナフィラキシー様反応39例, 葬麻疹等の過敏症131例, 発熱反応74例その他. IgA を含む9種のタンパク質の欠損は1/386(IgA欠損)で検出. 各種抗体検査の陽性率は, オクタロニ一法, 免疫電気泳動では極めてまれであったが, ELSA法では, アナフィラキシーショック, アナフィラキシー様反応, 過敏症等を中心に, 49/386で陽性, うちさらに Western blot 法で18/386で陽性で, 各々IgA, Hap, Tf, C4, AGG に対する抗体が認められた. 一昨年のサーベイに比べて陽性率の上昇が認められた. 検体の保存輸送法の改善, assay 感度の上昇などが原因と考えられた. IgE 含量は, 測定51例中21例で異常高値が測定され, アトピー性素因との関連が示唆された. 非溶血性輸血副作用惹起患者の血清中の抗血漿タンパク質抗体を分析し, アレルギー性副作用と抗体保有との関連が示唆された. 今後, これらの抗体の諸性質について詳しく検討したい. |
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ISSN: | 0546-1448 |