カラム凝集法を用いた不規則抗体検査の検討
【目的】輸血検査の標準化を目的に新しい検査法として, カラム凝集法が開発され普及しつつある. 今回, ガラスビーズ微粒子のふるい効果を利用したオーソ社の Bio Vue システムの試用機会を得たので, 不規則抗体検査における再現性と現行の試験管法(以下T法)とカラム凝集法(以下B法)の反応の比較について検討した. 【材料】1)再現性:抗Fy^b , 抗s, 抗Jk^a , 抗c, 抗Di^a +S, 抗C+e, 抗M抗体を含む検体を小分けして, 4名のスタッフに8日間に渡り測定を依頼した. その際, 測定寺には客観的に検査できるように, すべてナンバリングされたブラインド検体とした. 2)現行...
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Zusammenfassung: | 【目的】輸血検査の標準化を目的に新しい検査法として, カラム凝集法が開発され普及しつつある. 今回, ガラスビーズ微粒子のふるい効果を利用したオーソ社の Bio Vue システムの試用機会を得たので, 不規則抗体検査における再現性と現行の試験管法(以下T法)とカラム凝集法(以下B法)の反応の比較について検討した. 【材料】1)再現性:抗Fy^b , 抗s, 抗Jk^a , 抗c, 抗Di^a +S, 抗C+e, 抗M抗体を含む検体を小分けして, 4名のスタッフに8日間に渡り測定を依頼した. その際, 測定寺には客観的に検査できるように, すべてナンバリングされたブラインド検体とした. 2)現行法との比較:当院で期間中に同定された抗体(抗E, 抗C+e, 抗Jk^a , 抗Le^a , 抗Le^b , 抗M, 抗P1)について比較を行った. 【結果】1)再現性:4名8日間に352検体を測定した. そのうち, 抗グロブリン法で反応する抗体の検出率は, T法では61.8%, B法では100%であった. また生食法に反応する抗体の検出率は T法では95%, B法では100%であった. 抗Jk^a, 抗s抗体については, 使用した血球がヘテロであり, T法での検出率が45.0%, 5.0%と低くなっている. さらに, 反応の強さが T法はバラツキがあるのに対し, B 法ではほぼ均一のデータであった. 2)現行法との比較:臨床上問題とされる抗体についてはほぼ一致するが, 抗Le^a , 抗P1抗体の一部は B 法で反応しないものがあった. 【考察】カラム凝集法は検出率, 再現性において極めて良好なデータが示された. 今回の抗Fy^b , 抗s抗体のように量的効果を示す抗体では, T 法で使用する血球によっては見逃す可能性も示唆された. さらにB法は, サンプル量が少ない, 洗浄操作がいらないなどのメリットも多いが, T法のみで同定された抗体もあり, それぞれの特徴を把握した上で利用するには有用なシステムと考える. |
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ISSN: | 0546-1448 |