当院における血液製剤照射への取り組み

当院は病床数1176床, 1996年の手術件数9758件, 日赤血液製剤使用量24949単位の病院である. 1989年(H元年), 一部疾患を対象に, 放射線科に委託して血液製剤に対するCo照射を開始した. 以後リニアック照射に移行したが, 血液製剤専用X線照射装置の購入により, 1996年(H8年)5月から全科を対象に24時間体制で, 血液製剤に対するX線照射を開始した. 以後現在まで何度かの見直しを経ての実績を報告する. 現在では日勤帯は血液治療センター(以下センター), 当直帯は当直検査技師が照射を担当. 照射線量は25Gyで, 主治医より依頼のある製剤について使用直前に照射することとし...

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Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 渡辺裟予, 森大輔, 四木行永, 坪井浩美, 片岡節子, 大淵貴美子, 池田泰雅, 上田恭典
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院は病床数1176床, 1996年の手術件数9758件, 日赤血液製剤使用量24949単位の病院である. 1989年(H元年), 一部疾患を対象に, 放射線科に委託して血液製剤に対するCo照射を開始した. 以後リニアック照射に移行したが, 血液製剤専用X線照射装置の購入により, 1996年(H8年)5月から全科を対象に24時間体制で, 血液製剤に対するX線照射を開始した. 以後現在まで何度かの見直しを経ての実績を報告する. 現在では日勤帯は血液治療センター(以下センター), 当直帯は当直検査技師が照射を担当. 照射線量は25Gyで, 主治医より依頼のある製剤について使用直前に照射することとした. 1996年5月~1997年11月(19ヵ月)の総照射率は, 日赤血の赤血球製剤, 血小板製剤および院内採血新鮮血, 血小板, 単核球の総使用本数8657本に対し7382本(85.3%)であった. 1996年5~12月では77.5%. 再度の緊急安全性情報通達後の’97年1~11月では91.1%. 現体制が確立した10月以降では93.0%の照射率であった. 但し, 総使用本数8657本に対して2450本(28.3%)を占める単核球を含む血小板製剤は全例照射を原則としているので, 赤血球製剤のみの照射率は4896本(78.9%)で, 96年5~12月は67.2%. 1997年1~11月は87.8%. 10月以降は89.7%であった. 赤血球製剤の月別照射率も1996年5月の53.5%を最低に最高94.6%と照射率は上昇していた. 時間帯別照射率では, 総照射本数7382本に対し日勤帯で6181本(83.7%), 当直帯で1201本(16.3%)であった. 時間帯別照射回数では, 総照射回数2421回に対し日勤帯で1806回(74.6%), 当直帯で615回(25.4%)であった. 当初のセンター, 医師, 検査技師, 放射線技師による照射分担体制の見直しや, センターからの各種広報等によって照射率は上昇している. 未照射で使用したケースについても検討報告したい. 今後, 照射血の供給が開始された際の, 当院における最も適切な使用方法についても検討しなければならないと考えている.
ISSN:0546-1448