非B非C型輸血後肝炎への新しいウイルスTTVの関与
[目的]HBc抗体を加えたHBVスクリーニングの強化とHCV抗体PHA法によるHCVスクリーニング開始の1992年以降にも, 1%余りの輸血後肝炎(PTH)が発症している. その多くは非B非C型であり, 新しい原因ウイルスの関与を疑わせる. HGV及び新しく同定されたウイルスTTV*のPTHへの関与について検討する. [対象と方法]輸血後3ヵ月間以上追跡した783例のうち非B非C型PTH6例と軽微な肝機能異常を示した疑診19列があった. これらを対象に, GBV-CRNAはアンプリコアPCRで(広島大吉澤による), TTV DNAはHNT22の塩基配列に基づくPCR(自治大真弓による)によって...
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Zusammenfassung: | [目的]HBc抗体を加えたHBVスクリーニングの強化とHCV抗体PHA法によるHCVスクリーニング開始の1992年以降にも, 1%余りの輸血後肝炎(PTH)が発症している. その多くは非B非C型であり, 新しい原因ウイルスの関与を疑わせる. HGV及び新しく同定されたウイルスTTV*のPTHへの関与について検討する. [対象と方法]輸血後3ヵ月間以上追跡した783例のうち非B非C型PTH6例と軽微な肝機能異常を示した疑診19列があった. これらを対象に, GBV-CRNAはアンプリコアPCRで(広島大吉澤による), TTV DNAはHNT22の塩基配列に基づくPCR(自治大真弓による)によって検出した. [結果]1)GBV-C RNAはPTH 6例と疑診例19例のいずれにも検出されず. 2)PTH未発症の492例中9例(1. 8%)にGBV-C RNAを検出. 3)PTH6例中の4例と疑診19例中の6例の経過中にTTV DNAを検出した. また疑診の5例は輸血前に陽性であった. 4)6例のPTHと19例の疑診例は, ALTの動向から臨床経過をそれぞれ3グループ計4群に分類することが出来る. 5)TTV DNA陽性のPTH4例はいずれも, 輸血後6-9週目に発症し2.5~7ヵ月間のやや遷延化したALT異常(max. 180-203 IU/L)を示した(II群)が, 慢性化(観察期間9~25ヵ月間)はみられなかった. TTV DNAは肝機能異常に一致(3例)又はわずかに先立って上昇し, 3例は一過性で陰性化, 1例は10ヵ月現在も陽性である. 6)経過中TTV陽性化の疑診6例は同じくII群の4例中の2例(2/4例)と2~6週目に異常を示すI群2/10例と両者混合のIV群の2/5例であった. [考察]非B非C型輸血後肝炎6例にはGBV-C RNAは検出されず, 新しいウイルスTTV DNAが4例に検出された. TTV DNAはALTの上昇期にわずかに先行, あるいは一致した時期に出現することや, 一定の臨床経過を示すことから, GBV-C/HGVよりも肝炎との関連が濃厚なウイルスであると考える. |
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ISSN: | 0546-1448 |