自己血小板採取および自己末梢血幹細胞採取操作に伴う合併症の検討と予防のための看護的かかわり

目的:当輸血部では, 自己血輸血診療の一環として血液成分分離装置を用いた, (1)自己血小板採取(PCH), (2)自己末梢血造血幹細胞採取(PBSCH)を行っている. 今回, これらの成分採取操作に伴う合併症の現状と予防について検討した. 対象と方法:対象は1991年3月~1995年9月の期間に施行したPCH215症例, およびPBSCH131症例. 血液成分分離装置はCOBE SpectraとFresenius AS-104の2機種を用い, いずれもtwo-way方式で採取した. 結果:成分分離操作中に生じた合併症は, PCH操作では血管迷走神経反射(VVR)が23例(10.7%), 狭心...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (6), p.1015-1015
Hauptverfasser: 下野治子, 山下和代, 西田雅子, 新名主宏一, 肥後恵子, 舞木弘幸, 渡辺紘子, 上国料知子, 納光弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:当輸血部では, 自己血輸血診療の一環として血液成分分離装置を用いた, (1)自己血小板採取(PCH), (2)自己末梢血造血幹細胞採取(PBSCH)を行っている. 今回, これらの成分採取操作に伴う合併症の現状と予防について検討した. 対象と方法:対象は1991年3月~1995年9月の期間に施行したPCH215症例, およびPBSCH131症例. 血液成分分離装置はCOBE SpectraとFresenius AS-104の2機種を用い, いずれもtwo-way方式で採取した. 結果:成分分離操作中に生じた合併症は, PCH操作では血管迷走神経反射(VVR)が23例(10.7%), 狭心症発作が1例(0.5%)であった. PBSCH操作では, クエン酸中毒(CI)が1例(0.8%)のみであった. 生じたVVRの程度はIII度が1例, 他は全例I度の軽症であった. CIはI度の軽症であった. VVR III度の症例は胸部大動脈瘤の患者さんであった. VVRの発症には, 急速な脱血速度の変化が主な因子として関与し, CIの発症には, 長時間にわたる操作が密接に関与していると考えられた. 結論:PCHあるいはPBSCH操作中に生ずる主な合併症は, 前者ではVVRであり, 後者ではCIである. VVRの発生予防には, 急速な脱血速度の変換操作を避けることが重要であり, CIの発生予防には分離操作中適量のカルシウム製剤の継続投与が必要である.
ISSN:0546-1448