EPO製剤を使用した自己血輸血の現況

緒言:自己血輸血に遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン(EPO)が健保適応となって2年余経過した. 今回我々はこの2年間の当院での自己血貯血の現況について報告する. 対象:1994年4月から1996年3月までに自己血貯血を行った105例. 心臓外科他9件の手術は他院で行い, 産科49件は他科と比較しにくいため今回の調査対象外とした. 方法:所属科, 貯血量, EPO使用量, 術前・術後のHb値, 同種血輸血の有無などについて調査した. 結果および考案:所属科のうちわけは整形外科53, 婦人科28, 第2外科(消化器外科)16, その他8であった. 各症例の貯血量は, I群350~400ml 26...

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Hauptverfasser: 人見祐子, 中島弥生, 山崎麻理子, 今井厚子, 大木浩子, 鈴木宏昌, 前田平生
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:緒言:自己血輸血に遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン(EPO)が健保適応となって2年余経過した. 今回我々はこの2年間の当院での自己血貯血の現況について報告する. 対象:1994年4月から1996年3月までに自己血貯血を行った105例. 心臓外科他9件の手術は他院で行い, 産科49件は他科と比較しにくいため今回の調査対象外とした. 方法:所属科, 貯血量, EPO使用量, 術前・術後のHb値, 同種血輸血の有無などについて調査した. 結果および考案:所属科のうちわけは整形外科53, 婦人科28, 第2外科(消化器外科)16, その他8であった. 各症例の貯血量は, I群350~400ml 26件, II群550~890ml 47件, III群900~1290ml 24件, IV群1300~1600ml 8件, であった. I群のEPO使用は2件でいずれもEPO開始後術式変更となり800ml貯血予定が400ml貯血となったものである. 同種血輸血併用例は4件でうち3件は希釈式自己血400mlも併用したが術中出血量が貯血量に比して多かった. II群はEPOなし同種血輸血なしは13件で, 術後Hb12.0以上は5件あった. EPO使用同種血輸血なしは31件で, 貯血前Hb12.2±1.0, 術中出血量447±297, 術後Hb10.8±1.4で, うち7件(22.6%)は術後Hb12.1以上あり, いずれも出血量が少ない(70~442)症例であった. III群はEPO使用同種血なしは16件で, EPO使用量は60OOIU7.6±1.7V, 術前Hb12.4±1.4, 術中出血量1061±747, 術後Hb8, 9±15(6.5~11.6)であった. IV群はEPO使用同種血なしは7件でEPO使用量は6000IU9.0±2.7V, 術前Hb12.9±0.7, 術中出血量1294±512, 術後Hb10.0±1.3(7.8~11.8)であった. III・IV群のEPO使用同種血なしでは術後Hb8.0以下の症例が7例あった. II・III・IV群のEPO使用同種血使用は8件でいずれも貯血量に比し出血量が多かった. II群に術後Hb12.0以上の症例が一部みられたが, EPO使用量, 貯血量はほぼ適正と考えられた.
ISSN:0546-1448