自己血小板採取および自己末梢血幹細胞採取操作に伴う合併症の検討と予防のための看護的かかわり
【目的】当院では自己血輸血診療の一環として血液成分分離装置を用いた(1)自己血小板採取(PCH)(2)自己末梢血造血幹細胞採取(PBSCH)を行っている. 今回, これらの成分採取操作に伴う合併症の現状と予防について検討した. 【対象と方法】対象は1991年3月~1996年10月の期間に施行したPCH281症例, およびPBSCH195症例. 血液成分分離装置はCOBE SpectraとFresenius AS-104の2機種を用い, いずれもtwo-way方式で採取した. 【結果】成分分離操作中に生じた合併症はPCH操作では血管迷走神経反射(VVR)が33例(11.7%)クエン酸中毒(CI)...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (2), p.303-303 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】当院では自己血輸血診療の一環として血液成分分離装置を用いた(1)自己血小板採取(PCH)(2)自己末梢血造血幹細胞採取(PBSCH)を行っている. 今回, これらの成分採取操作に伴う合併症の現状と予防について検討した. 【対象と方法】対象は1991年3月~1996年10月の期間に施行したPCH281症例, およびPBSCH195症例. 血液成分分離装置はCOBE SpectraとFresenius AS-104の2機種を用い, いずれもtwo-way方式で採取した. 【結果】成分分離操作中に生じた合併症はPCH操作では血管迷走神経反射(VVR)が33例(11.7%)クエン酸中毒(CI)が2件(0.7%), 狭心症発作が1例(0.4%)であった. PBSCH操作では, クエン酸中毒(CI)が1例(0.5%)のみであった. 生じたVVRの程度はII度が1例, 他は全例I度の軽症であった. CIはI度の軽症であった. VVRの発症には, 末梢皮静脈への長時間にわたる金属針の留置, 急速な脱血速度の変換および心機能不全の程度が主な因子として関与し, CIの発症には, 不適切なカルシウム製剤の投与が関与していると考えられた. 【結論】PCHあるいはPBSCH操作中に生ずる主な合併症は, 前者ではVVRとクエン酸中毒であり, 後者はCIである. VVRの発生予防には, 心不全症状の強い患者(NYHAIII度以上は適応外とし, 急速な脱血速度の変換操作を避ける事が重要であり, CIの発生予防には分離操作中適量のカルシウム製剤の継続投与が必要である. |
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ISSN: | 0546-1448 |