プロテアーゼインヒビターによる輸血後GVHDエフェクタークローンの活性抑制

【目的】輸血後GVHDは重篤な輸血副作用であり致死率は極めて高い. しかしながら, 有効な治療法は未だ見つかっていない. 本研究は, 輸血後GVHDの治療法を見出すことを目的とした. 【方法】プロテアーゼインヒビターは細胞障害性Tcell(CTL)が放出するプロテアーゼ(perforin, granzymes)を阻害することによりCTLの細胞障害活性を抑制する. また, プロテアーゼインヒビターは, マクロファージ, Tcell等からのTNFの産生を抑制する事が知られている. ドナー由来CTLは輸血後GVHDの主因と考えられ, TNFもまたその病態に深く係っている事が示唆されている. 今回は,...

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Hauptverfasser: 西村元子, 赤座達也, 田所憲治, 十字猛夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】輸血後GVHDは重篤な輸血副作用であり致死率は極めて高い. しかしながら, 有効な治療法は未だ見つかっていない. 本研究は, 輸血後GVHDの治療法を見出すことを目的とした. 【方法】プロテアーゼインヒビターは細胞障害性Tcell(CTL)が放出するプロテアーゼ(perforin, granzymes)を阻害することによりCTLの細胞障害活性を抑制する. また, プロテアーゼインヒビターは, マクロファージ, Tcell等からのTNFの産生を抑制する事が知られている. ドナー由来CTLは輸血後GVHDの主因と考えられ, TNFもまたその病態に深く係っている事が示唆されている. 今回は, 以前輸血後GVHD発症患者末梢血リンパ球より樹立したエフェクターCTLクローン, およびTNF産生クローンに及ぼすプロテアーゼインヒビターの活性抑制についてin vitroでの検討を行った. CTL活性の抑制は, 通常の4-時間^51 Cr放出試験時に薬剤を添加し, CTLクローンの標的細胞障害活性抑制を測定した. 一方, TNF産生抑制は, TNF産生クローンの培養液に薬剤を添加し4日間培養した後, 培養上清中のTNF活性をL929細胞を用いた通常のbioassay法にて測定した. 【結果】プロテアーゼインヒビターは, 濃度依存的にCTL活性及びTNF産生を抑制した. CTL活性の抑制はCD4^+ , CD8^+ CTLクローンの間で効果に差は見られなかった. 【考察】プロテアーゼインヒビターが輸血後GVHDの有効な治療薬になり得る事が示唆された.
ISSN:0546-1448