癌免疫療法を目的としたLeukoapheresisの検討
【目的】われわれは1994年9月以降, 担癌患者を対象に, 採取したリンパ球にインターフェロン(IFN-α, 10萬単位)を添加して患者に返血するNK活性化などを目的とした免疫療法のためのLeukoapheresisを実施してきた. 初期の成績は第54回日本癌学会総会で報告し, 癌症例が増加した1996年1月以降の臨床成績については第55回の同学会総会で報告した. 今回は, より効率的なLeukoapheresisの指標を求めるべく, 1996年1月以降の施行例を対象に検討を加えた. 【方法】対象患者は男性12例, 女性11例, 計23例, 病名別内訳は肝癌6例, 肺癌4例, 大腸癌3例, 胃...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】われわれは1994年9月以降, 担癌患者を対象に, 採取したリンパ球にインターフェロン(IFN-α, 10萬単位)を添加して患者に返血するNK活性化などを目的とした免疫療法のためのLeukoapheresisを実施してきた. 初期の成績は第54回日本癌学会総会で報告し, 癌症例が増加した1996年1月以降の臨床成績については第55回の同学会総会で報告した. 今回は, より効率的なLeukoapheresisの指標を求めるべく, 1996年1月以降の施行例を対象に検討を加えた. 【方法】対象患者は男性12例, 女性11例, 計23例, 病名別内訳は肝癌6例, 肺癌4例, 大腸癌3例, 胃癌, 乳癌, 膵癌が各2例, 子宮癌, 腎癌, 卵巣癌, 膀胱癌か各1例であった. 全例COBWE-Spectraを使用し, 平均3.7回(1~11回)施行した. 今回は, 処理血液量, 採取白血球数とリンパ球数, 採取時間を中心に初期の成績と比較検討を行なった. 【成績・考察】Leukoapheresisの穿刺時間は, 平均88±6分, 処理血液量3486±694ml, ACD-A液使用量316±6ml, 採取総白血球数2.1±1.02x10^9 個/bag, 採取リンパ球数5.23±2.16x10^8 個/bagであり, 初期の成績と比べ, 有意差はなく, また, 男女間, 病名別, 体重等をみても, 差意は認められなかった. なおLeukoaheresis後, 回路内に2.20±1.08x10^8 の白血球が残存するため可能な限り回路内残有液を患者に返すことによって, 最終的な回路内残存白血球数を平均1.04±0.38x10^8 にすることができた. 対象症例は全て, III, IV期の癌患者であったが, 採血中は充分な観察を行ってきたこともあり, VVR等の採血副作用は皆無であった. 【結論】過去1年間において, 6回以上施行(1~3週間隔)した6症例についてみると, IFN-αによる免疫療法の効果があったと思われる. 通常, 平均5×10^8 のリンパ球を採取, 処理血液に対するリンパ球の回収率は平均50%であり, われわれが施行してきたLeukoaheresisは, 臨床側の期待に充分答えてきたと云える. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |