酸素高透過性バッグを用いた血小板保存
【目的】先の岡山センターの研究において, 800mlの酸素高透過性DUPバッグを用いると10~20単位のPCは良好に保存されるが, 5単位PCのような低単位血小板の保存はむしろ嫌気的代謝が進行し, 血小板に若干の障害がみられることが示唆された. そこで, 我々は, バッグ表面を約20%小さくした600mlのDUPバッグを作成し, 5単位PCの保存性を調べ, 至適バッグ容量について検討を行った. 【方法】成分採血由来のPC約15単位を, 600mlのDUPバッグ(JMS製)及びPOバッグ(kawasumi製800mlバッグをサイズ変更), さらに800mlのDUPバッグにそれぞれ5単位ずつ分注し...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (2), p.265-265 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】先の岡山センターの研究において, 800mlの酸素高透過性DUPバッグを用いると10~20単位のPCは良好に保存されるが, 5単位PCのような低単位血小板の保存はむしろ嫌気的代謝が進行し, 血小板に若干の障害がみられることが示唆された. そこで, 我々は, バッグ表面を約20%小さくした600mlのDUPバッグを作成し, 5単位PCの保存性を調べ, 至適バッグ容量について検討を行った. 【方法】成分採血由来のPC約15単位を, 600mlのDUPバッグ(JMS製)及びPOバッグ(kawasumi製800mlバッグをサイズ変更), さらに800mlのDUPバッグにそれぞれ5単位ずつ分注し, 22℃で5日間保存した. 血小板の保存性の指標として, pH, %HSR, LDH等を測定した. また, 同様に600mlのDUPバッグについて10~20単位のPCについても同様に行った. 【結果】保存5日後において, いずれのバッグを用いてもpH及び%HSRはほぼ保存開始時の値を維持していた. LDHの保存開始時からの増加量を血小板単位数あたりに換算した値は, 600mlバッグ群では著明に減少し, POバッグ群と同じレベルになった(600mlバッグ:7.6±6.1, 800mlバッグ:26.8±9.8, POバッグ(IU/リットル/unit)). 一方, 10~20単位のPCを保存した場合も, 800mlバッグで保存した場合と同様に, ほぼ保存開始時の活性を維持していた. 【考察】800mlDUPバッグでの5単位血小板保存でみられた嫌気的代謝の進行及び細胞性障害は, 600mlのDUPバッグを使用することでほぼ解消されることがわかった. したがって, 5単位PCのような低単位血小板保存にはバッグ表面積を小さくした600mlDUPバッグ(酸素透過量が若干低下)を利用する方が望ましいと考えられる. また, 600mlバッグを用いることで5~15単位製剤の保存が可能であると思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |