洗浄血小板の輸血効果並びにin vitroにおける機能変化
【目的】近年, 成分献血の普及に伴い血小板製剤の供給が増加している. それに伴い, 血小板製剤輸血時において, 血漿中の因子により種々の副作用が引き起こされることが報告されている. このような副作用を低減するためには, 血小板製剤を人工の血小板保存液で洗浄し, 血漿を除去することが有効であると考えられる. 最近, 当センター管内の医療機関において, 濃厚血小板製剤中の血漿が原因であると思われる, アナフィラキシー様ショックが2例発生し, 医療機関からの要請により洗浄血小板を調製した. 今回我々は, 洗浄血小板の輸血効果, 及び洗浄操作を行うことによるin vitroでの血小板機能変化について検...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (2), p.243-243 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】近年, 成分献血の普及に伴い血小板製剤の供給が増加している. それに伴い, 血小板製剤輸血時において, 血漿中の因子により種々の副作用が引き起こされることが報告されている. このような副作用を低減するためには, 血小板製剤を人工の血小板保存液で洗浄し, 血漿を除去することが有効であると考えられる. 最近, 当センター管内の医療機関において, 濃厚血小板製剤中の血漿が原因であると思われる, アナフィラキシー様ショックが2例発生し, 医療機関からの要請により洗浄血小板を調製した. 今回我々は, 洗浄血小板の輸血効果, 及び洗浄操作を行うことによるin vitroでの血小板機能変化について検討を行った. 【方法】輸血に用いた血小板の洗浄液は, 生理食塩液にクエン酸ナトリウム注射液を加えたものを用いた. 輸血効果の判定は, 補正血小板増加数(CPI)により行った. in vitroにおける血小板機能の検討は, 上記の洗浄液, 及び人工血小板保存液として知られているSeto液を用い, 洗浄後0, 6, 24時間後におけるpH, %HSR, 及びβ-TG放出率を測定した. 【結果】洗浄血小板の輸血により副作用は消失し, 血小板数の増加(CPI>5000)が認められた. in vitroにおける血小板機能は, 生理食塩液を基にした洗浄液では, 洗浄直後より血小板機能の低下が認められ, 血小板の保存性も低いものであった. 一方, Seto液では, 血小板機能の低下は認められず, 24時間後においても血漿保存と同等の機能を保持していた. 【考察】今回調製に用いた簡便なクエン酸含有生理食塩液による洗浄血小板は, 血漿によるアナフィラキシー様ショック等の副作用を低減し, 輸血効果が得られることが明らかとなった. また, Seto液等の人工血小板保存液を用いることにより, 洗浄後の血小板機能を維持させることができ, さらに輸血効果が上昇することが示唆された. |
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ISSN: | 0546-1448 |