輸血と Inspection & Accreditation

I&AとはInspection(査察)してAccreditation(認定)することであるが, 目的は許認可ではなく, 輸血用血液や血液製剤の適正使用を後庭する事とその品質を確保することであり, 安全な輸血が実施されるように教育的指導を行う事である. 米国におけるI&Aプログラムは, 1956年にDr. Kleinが提案したことにより開始されたが, 安全な輸血を実施するための教育が目的であった. I&Aを実施する4によって(1)I&Aのプログラムを通じて知識を得ることが出来, (2)適切な書式に基づく手順が確立し, 作業の効率化と業霧の改善が見込まれ, (3)誰が輸血業務にかかわっても一定のレベルが維持できるシステムが確立され, (4)ガイドラインやマニュアルを各医療機関に浸透させるなど種々の効果が期待できる. 日本輸血学会関東甲信越支部会では清水会長の発案で1995年2月にI&A小委員会を設け検討を開始した. 今日までの活動は, 査察リスト(Inspection Report Form;IRF)を作成するために, 手始めに委員の施設で実施されているマニュアルを集めて, その相違を検討した. また, 各施設で不備なものは, AABBのスタンダードおよび赤十字社血液センターの基準書を参考にした. 医療施設内で輸血を実施する時に必要な項目のみを選定して, 査察リストの作成を試みた. 査察リストに従って査察を実施するためには, 評価方法を決定するとともに手順善(Accredetation Requirements Manual)を作成しなくてはならないが, 数施設でI&Aのシミュレーションを行い, 査察リストの改善および手順書の作成に取り掛かっている. I&A実施における問題点と, 関東甲信越支部会I&A小委員会の今後の対応について報告する.