本邦初例のCa/Tu^a 抗体によるNAITP
本邦でも近年, 血小板型の母児間不適合による新生児血小板減少性紫斑病(NAITP)及び新生児血小板減少症(NAIT)の報告が見られるようになってきた. それらの抗体の特異性はHPA-3a, -4a, -4b, -5a, -5b, Nak^a などが知られている. 我々は今回, 本邦では報告のないCa/Tu^a 抗体によるNAITPの1例を経験したので報告する. 発端者は輸血歴, 妊娠歴のない妊婦より生まれ, 出生時の体重は2,554gであった. 血小板数は0.9×10^4 /μlで, 産後数時間のうちに下肢及び腎部に点状出血, 頭部に血腫を認めたことから精査依頼を受けた. LCT法, AHG-...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (2), p.217-217 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本邦でも近年, 血小板型の母児間不適合による新生児血小板減少性紫斑病(NAITP)及び新生児血小板減少症(NAIT)の報告が見られるようになってきた. それらの抗体の特異性はHPA-3a, -4a, -4b, -5a, -5b, Nak^a などが知られている. 我々は今回, 本邦では報告のないCa/Tu^a 抗体によるNAITPの1例を経験したので報告する. 発端者は輸血歴, 妊娠歴のない妊婦より生まれ, 出生時の体重は2,554gであった. 血小板数は0.9×10^4 /μlで, 産後数時間のうちに下肢及び腎部に点状出血, 頭部に血腫を認めたことから精査依頼を受けた. LCT法, AHG-LCT法によるHLA抗体検査とMPHA法による血小板抗体検査の結果, 発端者と母親血清中にCa/Tu^a 抗体を認めた. HLA抗体は認めなかった. 発端者と父親の血小板型はいずれもTu(a+b+)型で母親はTu(a-b+)型であった. 発端者は生後6日目まで血小板輸血を, 2日目までγ-globulin投与等の治療を行った. その後, 血小板数が徐々に増加し, 生後26日目に退院した. 現在までのところ順調に成育している. |
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ISSN: | 0546-1448 |