血液幹細胞測定キット・ProCOUNTを用いたCD34陽性率の2施設間での検討

【目的】造血幹細胞数の測定法として, 最近フローサイトメーターを用いたCD34陽性細胞の測定が従来のコロニーアッセイ法に比べ短時間で結果が得られるため広く用いられるようになってきた. しかし, 測定条件及び表示方法が統一されていないため測定値に施設間差が見られることが問題とされていた. そこで, 我々は最近市販されたCD34測定用キットProCOUNT(ベクトン・ディッキンソン)を用い2施設で同一検体を測定しその有用性について検討した. 【方法】白血球アフェレーシス検体または幹細胞動員末梢血の同一検体について, ProCOUNTを用いて2施設で別々にCD34陽性細胞数を測定した. すなわち,...

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Hauptverfasser: 冨田徳子, 山村一, 宮原正行, 喜多嶋康一, 矢野朋文, 片山義雄, 山根弘路, 角南一貴, 豊嶋崇徳, 品川克至, 大本英次郎, 原田実根
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】造血幹細胞数の測定法として, 最近フローサイトメーターを用いたCD34陽性細胞の測定が従来のコロニーアッセイ法に比べ短時間で結果が得られるため広く用いられるようになってきた. しかし, 測定条件及び表示方法が統一されていないため測定値に施設間差が見られることが問題とされていた. そこで, 我々は最近市販されたCD34測定用キットProCOUNT(ベクトン・ディッキンソン)を用い2施設で同一検体を測定しその有用性について検討した. 【方法】白血球アフェレーシス検体または幹細胞動員末梢血の同一検体について, ProCOUNTを用いて2施設で別々にCD34陽性細胞数を測定した. すなわち, ペクトン・ディッキンソン製フローサイトメーターを用い, CD34PE, 核染剤, CD45PerCPの3色で染色し, リンパ球と単球の一部, CD45弱陽性, CD34陽性領域に大きくゲートをかけ, 全てを満たすものを真のCD34陽性細胞と判定した. CD45陽性かつ核染色陽性細胞を白血球総数としCD34陽性細胞の占める割合を求めた. 測定細胞数, 機器の設定, ゲートのかけ方は説明書に示された範囲内で各施設で決定した. 【結果】CD34陽性率の測定結果は, 岡大医学部第二内科及び当血液センター間で概ね一致していた. すなわち, 陽性率は各々0.75±0.76(n=8), 0.85±0.67(n=8)であった. 相関計数はr=0.981となり有意な相関を示した(y=0.8665x+0.1890). 【考察】従来の染色法では, 解析法によって結果に大きな違いが出ることが森井らによって報告されている今回検討したProCOUNTでは, 染色手順が簡素化され, 解析手順も明確に示されているため測定者や解析者による差を縮小することができた. また, 内部標準ビーズとの比較により白血球数, CD34陽性細胞数を割合ではなく絶対数で測定することができるという特徴もある. したがって, ProCOUNTの使用は, 多施設での測定結果を直接比較することができ, 今後のCD34陽性細胞測定法の標準化に貢献できると思われる.
ISSN:0546-1448