術前自己血貯血におけるrHuEPOの効果
目的:遺伝子組み替え型エリスロポエチン(recombinant human erythropoletin,以下rHuEPO)は,本来の適応である腎性貧血のみならず,術前自己血貯血の領域においても大きな福音をもたらしつつある. 当輸血部で施行した術前貯血式自己血輸血療法におけるrHuEPOの使用成績をもとに,年齢や貯血開始前ヘモグロビン(Hb)などの貯血量規定因子を中心にrHuEPOの効果を解析し,その投与適応の基準について検討したので報告する. 対象と方法:対象は1991年8月~1996年7月までの期間に術前自己血貯血が施行された患者(2,677症例)のうち,rHuEPOを投与した44症例....
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1997, Vol.43 (1), p.91-91 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:遺伝子組み替え型エリスロポエチン(recombinant human erythropoletin,以下rHuEPO)は,本来の適応である腎性貧血のみならず,術前自己血貯血の領域においても大きな福音をもたらしつつある. 当輸血部で施行した術前貯血式自己血輸血療法におけるrHuEPOの使用成績をもとに,年齢や貯血開始前ヘモグロビン(Hb)などの貯血量規定因子を中心にrHuEPOの効果を解析し,その投与適応の基準について検討したので報告する. 対象と方法:対象は1991年8月~1996年7月までの期間に術前自己血貯血が施行された患者(2,677症例)のうち,rHuEPOを投与した44症例. 性差,年齢別,貯血開始前Hbレベル別,脱血刺激別,rHuEPO投与量別に,それぞれrHuEPOの使用成績を比較・検討した. 結果:1. 貧血患者ではrHuEPOの投与により骨髄は速やか,かつ高度に反応した. とりわけ鉄欠乏性貧血において著明であった. 脱血刺激は循環血液量の7%前後が適当と考えられた. 2. 非貧血患者ではrHuEPOの投与により貯血開始初期の緩徐な赤血球造血能が刺激され,一定した造血反応が生じた. 脱血刺激は循環血液量の10%前後が適当と考えられた. 3. 加齢に伴う骨髄機能低下に対し,rHuEPOの投与は良好な造血能亢進に寄与した. 特に70歳以上の高齢者で著明であった. 4. rHuEPOに対する赤血球造血能は用量依存的であるが,術前自己血輸血における投与量は,体重1kg当たり450~550IU(週1回皮下注)で十分と考えられた. 結論:貯血予定期間が十分な場合,貯血量を規定する因子を考慮してrHuEPOの適応を判断すべきであり,我々独自のrHuEPO適応基準案を作成した. |
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ISSN: | 0546-1448 |