輸血検査法の違いによる不適合輸血の危険性
ポリエチレングリコールを反応増強剤として用いる間接クームス(以下PEG/IAT)法は, 短時間で臨床的意義のある抗体を高頻度に検出でき, 当検査室においてもH5年6月より抗体スクリーニング検査に導入した. 重合ウシアルブミンクームス(PBA/IAT)法では抗体を検出できず, PEG/IAT法を行なっていれば不適合輸血を回避できたと思われる3症例を経験した. PEG/IAT法は低力価の抗体も検出でき, 遅発性溶血性副作用の防止にも意義があり, 輸血施行における安全性, 迅速性の向上に役立っている. 時に寒冷凝集などによる非特異反応が出やすいとの報告もあるが, 温生食での洗浄や抗IgGクームス血清...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | ポリエチレングリコールを反応増強剤として用いる間接クームス(以下PEG/IAT)法は, 短時間で臨床的意義のある抗体を高頻度に検出でき, 当検査室においてもH5年6月より抗体スクリーニング検査に導入した. 重合ウシアルブミンクームス(PBA/IAT)法では抗体を検出できず, PEG/IAT法を行なっていれば不適合輸血を回避できたと思われる3症例を経験した. PEG/IAT法は低力価の抗体も検出でき, 遅発性溶血性副作用の防止にも意義があり, 輸血施行における安全性, 迅速性の向上に役立っている. 時に寒冷凝集などによる非特異反応が出やすいとの報告もあるが, 温生食での洗浄や抗IgGクームス血清を用いることで解消できる. 検査法, 使用メデュームは, 施設間で統一がなされていないのが現状であるが, メデュームの選択性が不適合輸血を回避する上で重要性を占めていると思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |