輸血後肝炎の発生状況に関する調査研究

目的:わが国では, 1992年2月より2nd PHA法による輸血用血液のスクリーニングが導入され, 肝炎の発症率は著しく減少し, その発症頻度を明らかにするためには多施設の協力による調査が必要となっている. この度, 我々は県内8医療機関の協力によりその後の輸血後肝炎発症に関する実態を明らかにする目的として, 輸血後肝炎の発生に関する調査研究を行ったので報告する. 対象と方法:1993年12月から1995年9月までの間に上記の8医療機関において輸血を受けた全受血者を対象とした. なお, 末期癌の症例・輸血量が10単位を越える大量輸血症例・肝疾患を有する症例・悪性の血液疾患を有する症例は対象から...

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Hauptverfasser: 水井正明, 入江充, 中川文雄, 宗像寿子, 吉澤浩司
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:わが国では, 1992年2月より2nd PHA法による輸血用血液のスクリーニングが導入され, 肝炎の発症率は著しく減少し, その発症頻度を明らかにするためには多施設の協力による調査が必要となっている. この度, 我々は県内8医療機関の協力によりその後の輸血後肝炎発症に関する実態を明らかにする目的として, 輸血後肝炎の発生に関する調査研究を行ったので報告する. 対象と方法:1993年12月から1995年9月までの間に上記の8医療機関において輸血を受けた全受血者を対象とした. なお, 末期癌の症例・輸血量が10単位を越える大量輸血症例・肝疾患を有する症例・悪性の血液疾患を有する症例は対象から除外した. 受血者は原則として, 輸血後3ヵ月までは2週間に1回ALT値の測定を行い, 3ヵ月以降6ヵ月までは月に1回ALT値を測定した. 追跡期間中輸血患者にALT値の上昇(施設の正常上限値の2倍以上)が認められた場合に肝炎の発症を疑い, HBV DNA・HCV RNAを含む肝炎ウイルスマーカーの検索を行った. 結果:追跡対象者1,018人中, 1995年9月末までに562例が追跡を完了し, このうち2例に疑診例を認めたが, いずれもPCRの結果, ウイルスは検出されなかった.
ISSN:0546-1448