メチレンブルーによる血漿中HIV-1の光不活化

目的:輸血後ウイルス感染の危機をさらに減少させる目的で, 我々はメチレンブルー(MB)と可視光照射による血液製剤中ウイルスの光不活化法を検討している. 今回, 効率的な不活化を行うための照射装置を開発し, 血漿に浮遊させたHIV-1の感染性及び血漿凝固因子活性について検討した. 方法:HIV-1は非働化AB血漿に浮遊し, MB添加後赤色光(590~710nm)を照射した. 照射量は照射時間を変えて調整した. 血漿凝固活性は, フィブリノーゲン, 第VIII因子, プロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を定法に従い測定した. 結果:赤色発光ダイオードを用いた照...

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Hauptverfasser: 阿部英樹, 秋野光明, 大西淑子, 権吉源, 高橋恒夫, 関口定美, 生田和良, 赤坂淳一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:輸血後ウイルス感染の危機をさらに減少させる目的で, 我々はメチレンブルー(MB)と可視光照射による血液製剤中ウイルスの光不活化法を検討している. 今回, 効率的な不活化を行うための照射装置を開発し, 血漿に浮遊させたHIV-1の感染性及び血漿凝固因子活性について検討した. 方法:HIV-1は非働化AB血漿に浮遊し, MB添加後赤色光(590~710nm)を照射した. 照射量は照射時間を変えて調整した. 血漿凝固活性は, フィブリノーゲン, 第VIII因子, プロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を定法に従い測定した. 結果:赤色発光ダイオードを用いた照射装置は照射によるサンプルの温度上昇も低く, 0.24J/平方センチメートル/minの照射強度であった. 感染価4log_10 のHIV-1は1uM MB, 1.4J/平方センチメート処理により検出限界以下に不活化された. この条件で, フィブリノーゲン及び第VIII因子は90%以上の活性を保持していた. PT及びAPTTはわずかに延長した. まとめ:メチレンブルー光不活化法は, 血漿凝固因子活性への影響も小さく, 血漿中ウイルスの不活化法として有効であると考える.
ISSN:0546-1448