PRP採血由来濃厚血小板製剤製造の検討
現在血液センターで調製している濃厚血小板は, ほとんどが成分採血由来のものであり, 成分採血には, 多血小板血漿を採血するPRP採血と濃厚血小板を採血するPC採血がある. PRP採血由来の濃厚血小板は, 調製の際遠心により血小板をペレット状にしなくてはならなく, 採血時に比べ調製後の濃厚血小板中の血小板数は減少する. またPRP由来の濃厚血小板では凝集塊発生率が高く, この原因として, 遠心という物理的ストレスにより血小板の機能が影響を受けるためであるという可能性が考えられた. そこで我々は, PRP採血から濃厚血小板を調製する際の工程を効率良くかつ最適に行うことを目的とし, 異なる遠心条件で...
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Zusammenfassung: | 現在血液センターで調製している濃厚血小板は, ほとんどが成分採血由来のものであり, 成分採血には, 多血小板血漿を採血するPRP採血と濃厚血小板を採血するPC採血がある. PRP採血由来の濃厚血小板は, 調製の際遠心により血小板をペレット状にしなくてはならなく, 採血時に比べ調製後の濃厚血小板中の血小板数は減少する. またPRP由来の濃厚血小板では凝集塊発生率が高く, この原因として, 遠心という物理的ストレスにより血小板の機能が影響を受けるためであるという可能性が考えられた. そこで我々は, PRP採血から濃厚血小板を調製する際の工程を効率良くかつ最適に行うことを目的とし, 異なる遠心条件で濃厚血小板を調製し, 遠心による物理的ストレスと血小板機能, 凝集塊発生との関係について検討を行った. 血小板機能の測定は, PRP採血された多血小板血漿を2種類の遠心条件((22,500g・min(3,700rpm, 6min), 20,100g・min(3,500rpm, 6min))で遠心して濃厚血小板を調製し, 3日後にpH, 平均血小板容積(MPV), 低浸透圧ショック回復率(%HSR), ラクテート量, グルコース量, LDH活性の測定を行った. 血小板回収率と凝集塊発生率は, PRP採血された多血小板血漿を3種類の遠心条件((22,500g・min, 20,100g・min, 16,750g・min(3,500rpm, 5min))で遠心して濃厚血小板を調製し, 調製前と調製後の総血小板数, 凝集塊を形成した濃厚血小板の数より算出した. 結果:今回行った血小板機能のすべての測定において, 22,500g・minと20,100g・minで調製した濃厚血小板の間には有為な差が認められなかった. 血小板回収率は, 3種類の遠心条件の間で有為な差が認められなかったが, 凝集塊発生率は, 16,750g・minの条件で若干の低下が見られた. 今回の結果から, 22,500g・minと20,100g・minでは, 血小板機能, 凝集塊発生率, 回収率に与える影響はほぼ同じであったが, 16,750g・minでは, 血小板回収率は低下しないにもかかわらず, 凝集塊の発生を抑えることができ, この条件では遠心による物理的ストレスが血小板機能に与える影響も少ない可能性があることを示唆された. |
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ISSN: | 0546-1448 |