遅延性溶血副作用後に出現した抗体の消失及び減衰

過去2年間9,855例のT&Sを行い, クームス法陽性98例中抗体陽性から陰性化したのは7例, 陰性から陽性化したのは8例, 1回のみの検査が83例を占めた. 症例1は, DHTR後に抗E+抗cを産生したが, 5ヵ月後に抗cの抗体価の上昇がみられ, 約1年6ヵ月後, 抗cは著明な低下を示した. HLA抗体(Bw61他)血小板抗体(不明)も産生していた. 血小板無力症のため, 出産など今後の輸血の必要性を考えると低下してしまった抗体が重要となる. 症例2は輸血後弱い抗E抗体が産生されたが, 約2ヵ月後に陰性化した. PEGを用いても検出できなかった. 輸血後検査の充実, 再検査の徹底,...

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Hauptverfasser: 平岡朝子, 中村裕美, 吉田日出子, 谷広ミサヱ, 高田昇, 山木戸道郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:過去2年間9,855例のT&Sを行い, クームス法陽性98例中抗体陽性から陰性化したのは7例, 陰性から陽性化したのは8例, 1回のみの検査が83例を占めた. 症例1は, DHTR後に抗E+抗cを産生したが, 5ヵ月後に抗cの抗体価の上昇がみられ, 約1年6ヵ月後, 抗cは著明な低下を示した. HLA抗体(Bw61他)血小板抗体(不明)も産生していた. 血小板無力症のため, 出産など今後の輸血の必要性を考えると低下してしまった抗体が重要となる. 症例2は輸血後弱い抗E抗体が産生されたが, 約2ヵ月後に陰性化した. PEGを用いても検出できなかった. 輸血後検査の充実, 再検査の徹底, 患者さんへの情報伝達などが課題である.
ISSN:0546-1448