血液センターにおけるリンパ球採取
骨髄移植(BMT)後の再発白血病に対し, リンパ球輸注を行った症例に, 私たち血液センターナースも技術協力を行ったので, その経験を報告する. 症例:30歳女性. 長崎大学附属病院原研内科入院中. HLA一致, リンパ球混合培養(-)の姉をドナーとして同種骨髄移植を2回施行. 移植後も骨髄中には, 白血病細胞が残存し, 次第に増悪傾向にあったが, H6.6月より白血病細胞が著減. ドナー由来と思われる造血を認め, GVL作用(Graft Versus Leukemia:移植片対白血病)が考えられた. 治療方針として, GVL作用の増強を目的としたドナーリンパ球輸注を行うことになる. H6.6月...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1995, Vol.41 (1), p.116-116 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 骨髄移植(BMT)後の再発白血病に対し, リンパ球輸注を行った症例に, 私たち血液センターナースも技術協力を行ったので, その経験を報告する. 症例:30歳女性. 長崎大学附属病院原研内科入院中. HLA一致, リンパ球混合培養(-)の姉をドナーとして同種骨髄移植を2回施行. 移植後も骨髄中には, 白血病細胞が残存し, 次第に増悪傾向にあったが, H6.6月より白血病細胞が著減. ドナー由来と思われる造血を認め, GVL作用(Graft Versus Leukemia:移植片対白血病)が考えられた. 治療方針として, GVL作用の増強を目的としたドナーリンパ球輸注を行うことになる. H6.6月中句, 長崎血液センターへ骨髄ドナーである姉のリンパ球採取の依頼がきた. 目標輸注細胞数2.5×10^8 T cell/kgを採取して欲しいとの依頼であった. 161cm, 52kgの華著な体格に両腕とも血管が細く, 特に左前腕は血管が触れない程のドナーであったが, リンパ球採取を施行することとなった. ドナーの健康・体力・社会生活に留意し, 不安の除去に努めながらヘモネティクスV-50にてリンパ球フェレーシスを17日間で計7回施行し, 目標細胞数に達した. 結語:今迄は, 臨床のニーズに応じた良質の血液製剤の確保に力が注がれていたが, 今後は医療機関との技術協力も重要な採血課の仕事になると思われる. また, 患者の管理は, 病院スタッフによって行われる様に, ドナーの健康管理は, 血液センタースタッフで行わなければならない. 変化する血液事業のなかで, 柔軟に対応できるようにさらなる研鑽が必要である. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |