保存期間が異なる血液製剤へのX線照射
目的:輸血後GVHDの予防法には, 予め血液製剤に混入しているリンパ球を除去するか, 不活化すればよいが, 現在最も確実な方法として放射線照射が広く用いられている. 放射線照射が血液製剤へ及ぼす影響についていくつかの報告はあるが, 採血後保存日数が短い血液製剤への照射の報告が多く病院の実状に合わない. また, リンパ球活性が採血後約4週間目まで残っているという報告もあるため, 今回, 保存日数が異なる血液製剤の赤血球に対する放射線照射の影響を調べ, 照射後使用されなかった血液製剤の再利用について検討したので報告する. 方法:検討用血液製剤は, 血液センターより検査で不合格となった400ml M...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1995, Vol.41 (1), p.111-111 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:輸血後GVHDの予防法には, 予め血液製剤に混入しているリンパ球を除去するか, 不活化すればよいが, 現在最も確実な方法として放射線照射が広く用いられている. 放射線照射が血液製剤へ及ぼす影響についていくつかの報告はあるが, 採血後保存日数が短い血液製剤への照射の報告が多く病院の実状に合わない. また, リンパ球活性が採血後約4週間目まで残っているという報告もあるため, 今回, 保存日数が異なる血液製剤の赤血球に対する放射線照射の影響を調べ, 照射後使用されなかった血液製剤の再利用について検討したので報告する. 方法:検討用血液製剤は, 血液センターより検査で不合格となった400ml MAPを用いた. 未照射製剤を1群とし, 採血後翌日, 7日目, 14日目, 21日目, 28日目に15GyのX線照射を行い, それぞれ2, 3, 4, 5, 6群(照射群)として4~6℃で保存した. 測定項目は, pH, 血漿カリウム濃度, 血漿ナトリウム濃度, 血漿ヘモグロビン濃度, 総白血球数で, 測定期間は, 採血後からMAPの保存期間である6週間までで, 1週間間隔で行った. 結果:pHは未照射と比較して, 照射による影響は認められなかった. 血漿カリウム濃度の経時的増加は, 未照射群に比べ照射群が大きく, 血漿ナトリウム濃度は逆に減少し, 照射による影響が認められた. 結論:X続照射後速やかな使用が望まれるが, 血液製剤の有効利用を考えると2・3群は照射後2週間以内, 4群は照射後1週間以内の使用が可能と考えられ, 5・6群は照射後速やかな使用が望まれる. |
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ISSN: | 0546-1448 |