家族性に発症したHLA-DR2陽性再生不良性貧血の2家系
(目的)再生不良性貧血の治療に対して免疫抑制療法の有効性が示されている. 特にHLA-DR2陽性で特定のDRB1 allclcを有する症例では免疫抑制療法によく反応し, 寛解しやすいことが報告されている. 今回我々は, 家族性に再生不良性貧血を発症した2家系を経験し, これら患者のHLA-DR領域についてのタイピングおよびDRB1遺伝子の解析を試みたので報告する. (症例1)4才と8才の姉妹. ともに生来健康. 昭和61年2月から3月にかけて相次いで発症・骨髄低形成を認め, 近医にて再生不良性貧血と診断された. 2例とも, ALGとm-pslパルス療法を併用し反応良好で現在, 寛解を維持してい...
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Zusammenfassung: | (目的)再生不良性貧血の治療に対して免疫抑制療法の有効性が示されている. 特にHLA-DR2陽性で特定のDRB1 allclcを有する症例では免疫抑制療法によく反応し, 寛解しやすいことが報告されている. 今回我々は, 家族性に再生不良性貧血を発症した2家系を経験し, これら患者のHLA-DR領域についてのタイピングおよびDRB1遺伝子の解析を試みたので報告する. (症例1)4才と8才の姉妹. ともに生来健康. 昭和61年2月から3月にかけて相次いで発症・骨髄低形成を認め, 近医にて再生不良性貧血と診断された. 2例とも, ALGとm-pslパルス療法を併用し反応良好で現在, 寛解を維持している. (症例2)43才と6才の母娘. 出血傾向, 易疲労感を認め, 各々平成4年8月, 平成5年末に本学に入院し, 再生不良性貧血と診断された. 娘はALG, m-pslパルス療法, CyA3剤併用し寛解を維持している. 母親についてはCyA, m-pslパルス療法で現在治療中である. (方法)DEのタイピングはLCT法, 遺伝子解析はEDTA加患者末梢血より, ScpaGcne(三光純薬)でDNAを抽出し, PCRにてエクソン2領域を増幅した. 増幅フラグメントをPCE-RFLPで解析するとともにpGEM-Tベクターにサプクローニングし, 塩基配列を決定して, 遺伝子タイピングを試みている. (結果)検索した4患者において, HLA-DR2がすべて陽性であった. 遺伝子解析については, 現在解析中である. (結語)再生不良性貧血症例においてHLA-DR2と免疫抑制療法の有用性については, 近年多数の報告がある. 今回我々の実施した同一家系例での遺伝学的検討の報告は少なく, 有意義なものと考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |