新しいHLA-DRB1対立遺伝子DRB115KYの塩基配列

〔目的〕骨髄移植を目的としてHLA検査依頼のあった患者およびその母親から既知のDRB1対立遺伝子に相当しないものが検出され, 適合ドナー検索の必要性からその塩基配列を調べた. 〔方法〕HLA-classIはLCT法で, classIIはLCT法およびグループ特異的に増幅するPCR-RFLP法(制限酵素;Fok I, Cfr13 I, Hph I), PCR-SSCP法で検査した. 塩基配列は, DR2グループ特異的プライマーにより増幅した産物を直接シークエンスした. 〔結果〕この家族のDRB1対立遺伝子のDNAタイピングを行った結果, 患者と母親のDR2の対立遺伝子が既知のRFLPパターンに相...

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Hauptverfasser: 新野一恵, 三根英子, 坪山邦子, 丸屋悦子, 仁田浩, 佐治博夫, 辻肇, 増田治史, 山形昇, 中川雅夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔目的〕骨髄移植を目的としてHLA検査依頼のあった患者およびその母親から既知のDRB1対立遺伝子に相当しないものが検出され, 適合ドナー検索の必要性からその塩基配列を調べた. 〔方法〕HLA-classIはLCT法で, classIIはLCT法およびグループ特異的に増幅するPCR-RFLP法(制限酵素;Fok I, Cfr13 I, Hph I), PCR-SSCP法で検査した. 塩基配列は, DR2グループ特異的プライマーにより増幅した産物を直接シークエンスした. 〔結果〕この家族のDRB1対立遺伝子のDNAタイピングを行った結果, 患者と母親のDR2の対立遺伝子が既知のRFLPパターンに相当しなかった. LCT法においてYMM-404(特異性;DR15)とその他DR2の4本の血清に反応したことからこの対立遺伝子をDRB1*15KYと暫定的に命名した. SSCPパターンはDRB1*1501, 1502, 1601, 1602と異なっていた. 患者のHLAはA2/33, B44/60, Bw4/6, Cw-/-, DRB1*15KY/1302, DQA1*0102/-, DQB1*0602/0604であり, ハプロタイプA2-CwBL-B60-DRB1*15KY-DQAI*0102-DQB1*0602は母親から遺伝していた. シークエンスの結果DRB1*15KYはDRB1*1501と1塩基異なっており, DRB1*1501エクソン2のコドン67がATCであるのに対しDRB1*15KYはCTCであった. これはDR分子β1ドメインの4回転目のαヘリックス上(アミノ酸67番目)のIle(DRB1*1501)→Leu(DRB1*15KY)の変異に相当する. 〔考察〕現在当センターにおいてタイプの確定されたハプロタイプ260例中DRB1*15KYを含むハプロタイプは1例検出された. よってその遺伝子頻度は最大0.4%と推定できる. また塩基配列の解析結果およびハプロ夕イプよりDRB1*15KYはDRB1*1501の点突然変異により生じたと考えられる.
ISSN:0546-1448