成分採血装置における残留リンパ球について
第42回日本輸血学会において, 血小板採取後の成分採血装置回路内に残留する血液成分について報告した. 機種別に見るとCOBE-Spectraでは, リンパ球数平均4.70×10^8 個Fenwal CS-3000では, リンパ球数平均2.46×10^8 個の残留が認められ心この残留リンパ球数は, 全血献血の1回の量に匹敵し, 頻回献血者の安全性を考慮すると, 返血することが望ましいと考えた. 今回は, Spectra, CS-3000の2機種について返血法の変更を試みたので報告する. 〔方法〕 使用する成分採血装置は, Spectra, CS-3000の2機種とした. 1)返血法:Spectr...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1994, Vol.40 (6), p.1037-1037 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 第42回日本輸血学会において, 血小板採取後の成分採血装置回路内に残留する血液成分について報告した. 機種別に見るとCOBE-Spectraでは, リンパ球数平均4.70×10^8 個Fenwal CS-3000では, リンパ球数平均2.46×10^8 個の残留が認められ心この残留リンパ球数は, 全血献血の1回の量に匹敵し, 頻回献血者の安全性を考慮すると, 返血することが望ましいと考えた. 今回は, Spectra, CS-3000の2機種について返血法の変更を試みたので報告する. 〔方法〕 使用する成分採血装置は, Spectra, CS-3000の2機種とした. 1)返血法:Spectraは返血時に使用する生理食塩水を通常の約30%増量させ, プラズマポンプを使用し分離チャネルをリンスしながら返血した. CS-3000は, 返血プログラムを変更し, 返血時に使用する生理食塩水を150mlから250mlに増量した. 2)各々, 5名づつの献血者を対象とし, 採血終了時, 通常の返血終了時, 及び抜針時のバイタルサイン・自覚症状の確認を行った. 3)献血者の採取前後の血球数, 及び成分採血装置回路内のリンパ球数については, 自動血球計数装置(Sysmex NE8000)を用いて測定した. 〔結果〕 Spcctraにおいては, 第1報で報告したリンパ球数平均4.70×10^8 個から平均2.48×10^8 個へ, CS-3000では, 平均2.46×10^8 個から平均0.48×10^8 個への減少が見られた. また, 献血者の血圧, 脈拍においては著明な変動は認められず, 自覚症状もなかった, , 〔考察〕 200ml全血献血で, 採取されるリンパ球数を3.8×10^8 個(平均1900個/立法メートル)と仮定した場合, 男性は年間1200mlの全血献血で22.8×10^8 個, 女性は年間800mlの全血献血で15.2×10^8 個のリンパ球が採取されると想定する. 現行の返血方法を用いた血小板アフェレーシスで, 年間12回採取した場合, Spectraでは約56.4×10^8 個, CS-3000では, 約29.5×10^8 個のリンパ球を採取することになる. 今回, 返血方法を変更することにより, Spectraでは現行より約47%, CS-3000では約80%減少させることができ心また操作に関しては, 手技も簡単で, 返血時間も2機種とも2分程度延長されるのみであり, 日常の作業に支障はないと思われる. 今後はプログラムの変更のみでなく, 装置自体の改良が望まれる. |
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ISSN: | 0546-1448 |