当院における自己血輸血の現状について

〔目的〕自己血輸血は同種血輸血による種々の副作用を予防するために有益な方法であり, 当院においても各科の依頼により自己血の採血とその管理を行っている. 当院では本年7月から輸血部と自己血輸血に関係する各科の医師のローテーションにより自己血採血を行っている. 今回当院で行われている自己血輸血の現状について報告する. 〔方法〕平成6年4月より10月までに自己血採血を行った61症例(胸部外科2症例, 耳鼻科2症例, 整形外科8症例, 一般外科10症例, 脳外科1症例, 泌尿器科16症例, 小児科3症例, 内科系13例, 等)を対象に, 採血回数, 採血間隔, 貯血量, 等について調べた. 〔成績〕自...

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Hauptverfasser: 前田和宏, 国分寺晃, 郡谷哲男, 谷脇清助, 山東太介, 五熊丈義, 山口雅生, 伊藤眞紀, 三澤眞人, 大江与喜子, 甲斐俊朗, 原宏, 折山毅, 西脇学, 木下厳太郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕自己血輸血は同種血輸血による種々の副作用を予防するために有益な方法であり, 当院においても各科の依頼により自己血の採血とその管理を行っている. 当院では本年7月から輸血部と自己血輸血に関係する各科の医師のローテーションにより自己血採血を行っている. 今回当院で行われている自己血輸血の現状について報告する. 〔方法〕平成6年4月より10月までに自己血採血を行った61症例(胸部外科2症例, 耳鼻科2症例, 整形外科8症例, 一般外科10症例, 脳外科1症例, 泌尿器科16症例, 小児科3症例, 内科系13例, 等)を対象に, 採血回数, 採血間隔, 貯血量, 等について調べた. 〔成績〕自己血採血61症例(100件)の内, 採血回数は1回が28症例, 2回が29症例, 3回が2症例, 4回が2症例であった. 自己血の貯血期間は146±8.5日, 貯血量は584±82.8mlであった. 2回以上採血した症例は33症例あり, 採血間隔は内科系が平均23.8日, 整形外科が平均8.3日, 泌尿器科が6.9日であった. 採血件数100件の内7月以前が37件, 7月以後が63件あり, 輸血部において自己血採血が行われたのは7月以前が20件, 7月以後が39件あった. また61症例の内26症例では日赤血も用意され, その内14症例で輸血が行われた. 〔結語〕輸血部と各科の医師による採血のローテーションが開始されても自己血採血の件数増加はあまり見られなかったが, 輸血部で採血される割合がローテーション開始後に増加傾向にあることがら, 自己血の細菌汚染及び振盪不十分による血液凝固の防止, エリスロポエチン投与等の請求漏れの防止という当初の目標が認められたと考えられる. また術中の出血のために61症例中26症例で日赤血も用意されたが, その内12症例では日赤血は使用されずに返品された.
ISSN:0546-1448