Streptococcus pneumoniae感染症患児の血清中に存在する赤血球polyagglutination発現因子とその消長について
赤血球膜上のTとTk活性は細菌由来の酵素が赤血球膜糖鎖に作用し発現する事が知られている. 我々は, 赤血球上にTとTk活性を同時に発現した髄膜炎症例の患児赤血球について各種lectinとの反応性ならびに患児髄液より分離されたStreptococcus pneumoniaeの培養上清処理によるpolyaggulitinable血球の性状を検討したので報告する. 〔症例〕S. S. 1才女児, O型, Rh(D)陽性. 平成6年4月髄膜炎とDICを併発. 輸血療法に準備された濃厚赤血球との交差適合試験における副試験で凝集を認めた. また, 患児髄液よりStreptococcus pneumonia...
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Zusammenfassung: | 赤血球膜上のTとTk活性は細菌由来の酵素が赤血球膜糖鎖に作用し発現する事が知られている. 我々は, 赤血球上にTとTk活性を同時に発現した髄膜炎症例の患児赤血球について各種lectinとの反応性ならびに患児髄液より分離されたStreptococcus pneumoniaeの培養上清処理によるpolyaggulitinable血球の性状を検討したので報告する. 〔症例〕S. S. 1才女児, O型, Rh(D)陽性. 平成6年4月髄膜炎とDICを併発. 輸血療法に準備された濃厚赤血球との交差適合試験における副試験で凝集を認めた. また, 患児髄液よりStreptococcus pneumoniae(SP)が分離された. 輸血は赤血球, 血小坂共に洗浄製剤を用い溶血性輸血副作用は認められなかった. 〔材料および方法〕1)患児血漿, 患児髄液由来のS. P. ならびに他患者由来のS. P. 培養上清により健常人赤血球を処理(37℃)した. 2)Polyagglutination型判定には以下のlectinを使用した. Arachis hypogaea(PNA), GSII, Glycine soja(SBA), Salvia sclarea, Salvia horminum, Helix pomatia(HPA), Vicia cretica(VCA). 3)0.1%polybrene溶液を用いて赤血球の被凝集性をみた. 〔結果〕患児赤血球は各種lectinとの反応においてPNA, SBA, GSII, HPA, VCAに凝集しTとTk活性の発現が確認された. Polybrene溶液とは反応せず患児赤血球膜のシアル酸量低下が示唆された. 患児赤血球は健常人血清53名と凝集を示した. これらの反応性は, 治療後5日で既に消失していた. この間抗生物質による治療や輸血が行なわれた. 更に患児血漿, 患児髄液由来のS. P. ならびに他患者由来のS. P. 培養上清で処理をした健常人赤血球は, 患児赤血球と同様TとTkを発現しpolybrene溶液との反応が消失した. S. P. 培養液処理赤血球のlectinとの反応性に患児と他患者のS. P. 菌株で有意差はなかった. 〔まとめ〕S. P. 感染により赤血球が一過性にTとTk活性を同時に発現し, in vitroの実験系において, 患児血漿や髄液由来のS. P. 培養上清が, 健常人赤血球に同様な作用を示した. |
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ISSN: | 0546-1448 |