無症候性C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアのHCVグループ分類
目的:我々は, HCV特異抗原を用いたELISA法(C14抗体)により無症候性HCVキャリアのグループ分類を試み, C型慢性肝炎患者と比較検討した. 対象:HCV-RNA陽性かつ肝機能正常の無症候性HCVキャリア37例, C型慢性肝炎患者98例で, キャリア群では女性が, 患者群では男性が約70%を占めた. 成績:グループ分類の結果は, 無症候性HCVキャリア群でグループIが26例(70%), グループIIが7例(19%), 判定不能が4例(11%)であった. C型慢性肝炎患者群ではグループIが64例(65%), グループIIが27例(28%), グループI=IIが3例(3%), 判定不能が4...
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Zusammenfassung: | 目的:我々は, HCV特異抗原を用いたELISA法(C14抗体)により無症候性HCVキャリアのグループ分類を試み, C型慢性肝炎患者と比較検討した. 対象:HCV-RNA陽性かつ肝機能正常の無症候性HCVキャリア37例, C型慢性肝炎患者98例で, キャリア群では女性が, 患者群では男性が約70%を占めた. 成績:グループ分類の結果は, 無症候性HCVキャリア群でグループIが26例(70%), グループIIが7例(19%), 判定不能が4例(11%)であった. C型慢性肝炎患者群ではグループIが64例(65%), グループIIが27例(28%), グループI=IIが3例(3%), 判定不能が4例(4%)であった. また, Cl4抗体価の平均は無症候性HCVキャリア群が103.2, C型慢性肝炎患者群が123.6で全体で見ると有意差はなかったが, グループIIにおけるC14-2抗体価はキャリア群が有意に低かった. 結語:無症候性HCVキャリアにおいて, グループIIのしめる割合はC型慢性肝炎患者に比して低く, その抗体価も有意に低かった. また, 無症候性HCVキャリアの中にも血中HCV-RNA量の多い症例があり, 定期的な経過観察が必要と思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |