自己血採取後のMAP液保存による溶血の程度の検討
目的:平成4年1月のMAP保存液の保険適用は自己血輸血においては戻し輸血を減らし, 多量の貯血を可能にした. 当院においても昨年から手術日が未定の場合や, 多量の貯血が必要な患者にMAP保存液を使用してきたが, 採血後5, 6週間保存した製剤を輸血したところ, 肉眼的血尿を認めた症例や, MAP保存中上清の色調が肉眼的に極めて赤い症例を経験した. そこで, 当院自己血採取後のMAP保存中の溶血の程度を経時的に検討した. 対象:当院輸血部において自己血採血を行った17名. 方法:ニプロパックにて血液採取後, サンプルとして約20mlをMAP液の入っていた血液バックにとり, 4~6℃で保存した....
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 目的:平成4年1月のMAP保存液の保険適用は自己血輸血においては戻し輸血を減らし, 多量の貯血を可能にした. 当院においても昨年から手術日が未定の場合や, 多量の貯血が必要な患者にMAP保存液を使用してきたが, 採血後5, 6週間保存した製剤を輸血したところ, 肉眼的血尿を認めた症例や, MAP保存中上清の色調が肉眼的に極めて赤い症例を経験した. そこで, 当院自己血採取後のMAP保存中の溶血の程度を経時的に検討した. 対象:当院輸血部において自己血採血を行った17名. 方法:ニプロパックにて血液採取後, サンプルとして約20mlをMAP液の入っていた血液バックにとり, 4~6℃で保存した. 採取直後, 21, 28, 35, 42日目にそれぞれサンプル用血液バックから血液を試験管に約3mlずつとり, 遠心分離後上清を凍結保存した. その後凍結保存した血清中の遊離Hb濃度を測定した. 結果及び考察: 1. RC-MAPの上清が肉眼的に赤い場合は, 上清中の遊離Hb濃度は概ね100mg/dl以上であった. 2. 平均値は報告されている日赤血のRC-MAP上清Hb濃度より若干高い程度であったが, 時間が経過するにつれて溶血の程度のばらつきが広がり, 最高値を示した検体では6週間後の遊離Hb濃度は274mg/dlであった. 3. こういったばらつきがある以上, 当院では5週間以内で返血できるように採血計画を立てているが, どの程度までの溶血が寛容されるのか検討すべきであると思われる. |
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ISSN: | 0546-1448 |