血小板凝集能と輸血効果
目的:私達は, 先に供血者血小板機能に関し, Grading-Curve及び閾値(EPS)を測定することにより, 血小板の凝集に対する感受性を知りうることを報告した. また, この客観的指標としてのEPSは, 供血者末梢血とこれに由来する血小板製剤との間に, 正の相関が伺える点についても言及した. 今回はさらに, これらの指標と血小板輸血効果との間の関連について検討を加えた. 対象及び方法:対象は, HLA適合血小板製剤輸血症例であり, 18回の輸血回数を基に解析を加えた. 成分採血由来血小板製剤の凝集能は, ADP(40, 20, 10, 5 μM/リットル), Collagen(8, 4,...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1994, Vol.40 (2), p.425-425 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:私達は, 先に供血者血小板機能に関し, Grading-Curve及び閾値(EPS)を測定することにより, 血小板の凝集に対する感受性を知りうることを報告した. また, この客観的指標としてのEPSは, 供血者末梢血とこれに由来する血小板製剤との間に, 正の相関が伺える点についても言及した. 今回はさらに, これらの指標と血小板輸血効果との間の関連について検討を加えた. 対象及び方法:対象は, HLA適合血小板製剤輸血症例であり, 18回の輸血回数を基に解析を加えた. 成分採血由来血小板製剤の凝集能は, ADP(40, 20, 10, 5 μM/リットル), Collagen(8, 4, 2, 1 μg/ml)及びこれら混合物質の三者を惹起試薬として, 血小板凝集能測定装置(HEBA-1, PAM-8T, メバニクス社)で測定した. 惹起物質の濃度に対応した凝集曲線から, Grading-Curveを作成し, これより閾値を求めた. 一方, 受血者輸血効果についてはcorrected-platelet-increment(CPI)の1時間値及び24時間値について, さらに臨床的な出血傾向の動向についても対比検討した. 結果及び結語:HLA適合血小板輸血効果をCPI 1時間値, 24時間値についてみると, それぞれ, 1.80×10^4 /μl, 1.37×10^4 /μlとその効果が認められた. また, 臨床症状としての, 出血傾向の動きとの関係についてみると改善がみられた場合のCPIは, 不変時に比べ高値を示した. 一方, 凝集惹起物質に対する感受性EPSとCPIとの検討では, 必ずしも相関性としては見出しえなかった. これらの成績を基に, 今後は, 製剤内含有血小板数との関連を含め, 輸血回数を重ね, 患者側の要因も考慮し解析する必要がある. |
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ISSN: | 0546-1448 |