cisAelBmと考えられる1例
1964年, Scyfriedらにより, 見出されたcisABは, CIS位にAおよびB抗原が存在し, A_2 B_3 , A_1 B_3 , A_2 Bの表現型として知られている. 今回, 我々は, CIS位にA_el B_m が存在すると考えられる, 一家系を経験したので報告する. 症例は16歳, 女性. 感染症による発熱の精査目的で本学に入院した. 血液型はオモテ検査ではO型を示したが, ウラ検査ではB型を示した. 吸着解離試験(Landsteiner & Miller法)により, B抗原が証明されたが, A抗原は5Lotの人由来抗A血清のうち, 1種の抗Aにのみ反応し, モノク...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 1964年, Scyfriedらにより, 見出されたcisABは, CIS位にAおよびB抗原が存在し, A_2 B_3 , A_1 B_3 , A_2 Bの表現型として知られている. 今回, 我々は, CIS位にA_el B_m が存在すると考えられる, 一家系を経験したので報告する. 症例は16歳, 女性. 感染症による発熱の精査目的で本学に入院した. 血液型はオモテ検査ではO型を示したが, ウラ検査ではB型を示した. 吸着解離試験(Landsteiner & Miller法)により, B抗原が証明されたが, A抗原は5Lotの人由来抗A血清のうち, 1種の抗Aにのみ反応し, モノクロ抗Aには, 反応しなかった. ウラ検査ではA_1 血球に強く, A_2 血球に弱く反応した. 不規則抗体は陰性で, 寒冷凝集素, 不規則抗B抗体も陰性であった. 唾液検査はLe(a+b-)であるが, 希釈抗Bを僅かに抑制し, 抗Aは抑制されなかった. 血清中転移酵素はO血球をBに弱く転換した. 両親の血液でABO式血液型を実施したところ, 父親A_1 B_m , 母親がO型であった. 妹は協力が得られなかったが自己申告ではA型であった. 発端者の血液型にA抗原の存在が確定できないため, PCR法を用いた, DNA解析を行ったところ, 発端者にA, B, O遺伝子のバンドが見出された. 考察 本症例は父親がA_1 B_m 型(cisA_el B_m /A_1 ), 母親がO型(O/O)であることにより, 父親からcisA_el B_m 遺伝子を受け継いだcisA_el B_m /Oと推測される. 現在までの報告でciss位にA_2 B_3 が存在するcisAB型は多数報告されているが, 今回のようなケースは非常に稀であると考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |