成分-PCの初期性状及び臨床サイドの意識について

目的:MAP加血の導入以来, アフェレーシス採血由来濃厚血小板(以下成分-PC)の製造数が増加している. 一方, 血小板製剤の適正な使用のために厚生省から新しい基準マニュアルが出される予定であるが, 現在もなお臨床サイドでのPC投与に不適切な部分が含まれるとの指摘が多い. そこで, 我々は, 輸血医療の適正化にむけて, 製造サイドでの増加する成分-PCの初期性状の把握及び臨床サイドでの血小板輸血時の認識を視点に分析を試みたので報告する. 方法:全血採血由来MAP加血よりbuffy coat法にて調製したPC及び5~20単位成分-PC中の血小板及び白血球についてDIFF/Immature Inf...

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Hauptverfasser: 堂脇義雄, 阪田宣彦, 橋本誠, 寮隆吉
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:目的:MAP加血の導入以来, アフェレーシス採血由来濃厚血小板(以下成分-PC)の製造数が増加している. 一方, 血小板製剤の適正な使用のために厚生省から新しい基準マニュアルが出される予定であるが, 現在もなお臨床サイドでのPC投与に不適切な部分が含まれるとの指摘が多い. そこで, 我々は, 輸血医療の適正化にむけて, 製造サイドでの増加する成分-PCの初期性状の把握及び臨床サイドでの血小板輸血時の認識を視点に分析を試みたので報告する. 方法:全血採血由来MAP加血よりbuffy coat法にて調製したPC及び5~20単位成分-PC中の血小板及び白血球についてDIFF/Immature Information Channelにより解析した. 併せて血小板のin vitro機能測定を行なった. また, 血小板輸血の臨床サイドでの血小板製剤の種類の選択, 適応及び使用の現状について担当医に聞き取り調査を行ない, PCの基本データの認識にも考慮した. 結果:血小板のPDW(fl), MPV(fl), P-LCR(%)共, 400MAP-PC>200MAP-PC>apheresis-PC>apheresis-PRPの順で血小板サイズが大となり, 血小板機能測定のうちADP凝集能も血小板サイズとの正の相関が認められた. 混入する白血球分類では, リンパ球:約90%>単球>好中球の順であった. 大量血小板輸血の例は, 内科, 小児科を中心に, 難治性ITP, 再生不良性貧血, 骨髄異形成症候群(MDS)及び放射線障害による骨髄抑制に認められた. 血小板投与の間隔や投与量は各施設及び主治医の間でかなり違いがあった. 臨床サイドは, PCの血小板機能にはほとんど関心がなかった. 考案:成分-PCの増加の中で, 製造側の的確な品質管理の必要性から各種のPCの性状及び機能の相違について分析した. 臨床サイドでの輸血の現状では, 血小板製剤の特徴の把握あるいは適正な投与基準の配慮に欠けている点が認められた. 疾患別での適正な血小板輸血基準の設定を考慮する必要があると考えられた.
ISSN:0546-1448