抗体スクリーニングにおけるポリエチレングリコールの有用性の検討

【目的】最近, Nanceらにより, 反応増強剤としてpolyethylene glycol(PEG)を用いる間接クームス試験(以下P法)の有用性が報告された. 今回我々は, 抗体スクリーニングにおける従来のアルブミンクームス法(以下A法)からP法への代替の可能性を検索する目的で, 2法を比較検討した. 【対象・方法】対象は抗体スクリーニングでA法が疑陽性(±)~陽性となった検体およびA法以外の方法で抗体の同定された検体(過去に抗体が同定され現在抗体陰性の検体も含む)69例(I群)および無作為検体としてルーチン検体216例(II群)の計285例とした. I群では抗体の検出率および反応の強さを,...

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Hauptverfasser: 矢沢百合香, 武田敏雄, 高木朋子, 寺谷美雪, 浅香祐幸, 飯塚順子, 金子幸子, 小沢直宏, 都築忍, 高本滋
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】最近, Nanceらにより, 反応増強剤としてpolyethylene glycol(PEG)を用いる間接クームス試験(以下P法)の有用性が報告された. 今回我々は, 抗体スクリーニングにおける従来のアルブミンクームス法(以下A法)からP法への代替の可能性を検索する目的で, 2法を比較検討した. 【対象・方法】対象は抗体スクリーニングでA法が疑陽性(±)~陽性となった検体およびA法以外の方法で抗体の同定された検体(過去に抗体が同定され現在抗体陰性の検体も含む)69例(I群)および無作為検体としてルーチン検体216例(II群)の計285例とした. I群では抗体の検出率および反応の強さを, II群では非特異反応の有無を比較検討した. P法はgamma社PEG試薬を用い, 血清2滴に4%血球試薬1滴, PEG試薬2滴を加え混和, 37℃30分加温後生食で3回洗浄し, 広範囲クームス血清(モノクローナル抗体)2滴を加え3000rpm15秒遠心後判定した. A法は30%牛アルブミンを使用し, 以下P法と同様に行った. また, すべての検体に対し食塩水法, フィシン法, フィシンクームス法, ブロメリン2段法, ポリブレン法を併用した. 【成績】(I群)抗体の検出率および反応の強さ:Rh系抗体17例中, 2法とも陽性, 陰性は各3, 9例, P法のみ陽性は5例で, A法のみ陽性は1例もなかった. Lewis系抗体9例中, 2法とも陽性, 陰性は各2, 6例, P法のみ陽性は1例で, A法のみ陽性は1例もなかった. P_1 抗体3例は2法とも陽性を示した. 同定不明抗体9例中, 2法とも陽性は3例, 何れか1法のみ陽性は各3例であった. 内, P法のみ陽性の3例は他の方法でも陽性であり, A法のみ陽性の3例は他の方法では陰性であった. 反応の強さは, 69例中, P法>A法26例, P法=A法25例, P法
ISSN:0546-1448