末梢血幹細胞採取におけるCD14陽性細胞についての検討

【目的】末梢血幹細胞(PBSC)採取時に大量の単球が混入することはよく知られている. この単球は刺激因子を含まないin vitroの培養液中においても, 多種類のサイトカインを分泌する活性化された単球であることが報告され, 造血幹細胞が末梢に動員されることと何らかの関連をもつことが示唆されている. そこで, PBSC採取における単球の活性化とPBSCとの関係について検討した. 【対象と方法】PBSC移植を予定されている進行固形癌患者5症例を対象とした. なお健常者4名を対照とした. 末梢血単核球の採取はPBSC採取可能と思われる化学療法後5日より14日の間で, G-CSFの投与下に行った. 採...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 諏訪多順二, 青柳麻理子, 中島弥生, 人見祐子, 前田平生, 高木章美, 竹田省, 木下勝之
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】末梢血幹細胞(PBSC)採取時に大量の単球が混入することはよく知られている. この単球は刺激因子を含まないin vitroの培養液中においても, 多種類のサイトカインを分泌する活性化された単球であることが報告され, 造血幹細胞が末梢に動員されることと何らかの関連をもつことが示唆されている. そこで, PBSC採取における単球の活性化とPBSCとの関係について検討した. 【対象と方法】PBSC移植を予定されている進行固形癌患者5症例を対象とした. なお健常者4名を対照とした. 末梢血単核球の採取はPBSC採取可能と思われる化学療法後5日より14日の間で, G-CSFの投与下に行った. 採取細胞中のPBSCの確認には, CD34陽性細胞の測定と, 造血前駆細胞コロニー形成試験を施行した. コロニーは, CFU-GM, BFUe, E-Mixを測定した. 末梢単球の活性化の検索はフローサイトメトリーを使用し, 単球に対するモノクローナル抗体CD14と活性化マーカーHLA-DR, HLA-DQ, CD69との二重染色により解析した. 【結果】コロニー形成試験の成績は, 患者では平均CFU-GM 121, BFUe 239, E-Mix 16でtotal 376 colonies/2x10^5 cellsであった. 対照では平均total 44 colonies/2x10^5 cellsであった. 各モノクローナル抗体の陽性率の平均は, 患者ではCD34 0.7%, CD14+DR+ 71%, CD14+DQ+ 11%, CD14+CD69+ 54%, 対照ではCD34 0.2%, CD14+DR+ 60%, CD14+DQ+ 16%, CD14+CD69+ 4%であった. CD14陽性単球上のHLA-DR, DQ陽性率は両者間で差は認められなかったが, CD14+CD69+陽性率は患者で有意に高かった. 【考察】幹細胞が末梢に動員される機序については不明な点が多いが, この時に出現する活性化された単球は, CD14+CD69+で検出される可能性が高いと考えられた.
ISSN:0546-1448