HIV-1型と2型の血清学的検査法の検討
目的:昨年7月に海外からの渡航者にHIV-2のみの感染者が確認され, 日本でもHIV-2の検査体制が整いつつある. HIV-1型と2型はgag部分は約60%の相同性あり, このことはHIV-1型の試薬で検査しても2型の感染者をある程度見逃さないという利点があると同時に1型のみの感染者を1型と2型の重感染と判定してしまう恐れもある. われわれはWHOより送付された精度管理パネルの実施および日本の精度管理パネルを作成のためにHIV-2単独感染および重感染血清を血清学的方法により検討した. 方法:スクリーニングはHIV-1とHIV-2のPAおよびHIV-1/2のELISAで行った. これらのいずれか...
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Zusammenfassung: | 目的:昨年7月に海外からの渡航者にHIV-2のみの感染者が確認され, 日本でもHIV-2の検査体制が整いつつある. HIV-1型と2型はgag部分は約60%の相同性あり, このことはHIV-1型の試薬で検査しても2型の感染者をある程度見逃さないという利点があると同時に1型のみの感染者を1型と2型の重感染と判定してしまう恐れもある. われわれはWHOより送付された精度管理パネルの実施および日本の精度管理パネルを作成のためにHIV-2単独感染および重感染血清を血清学的方法により検討した. 方法:スクリーニングはHIV-1とHIV-2のPAおよびHIV-1/2のELISAで行った. これらのいずれかに反応した血清は1型と2型のWBおよびIFAを適宜実施した. 更にこれらのみで結論がでない検体については1型と2型の特異抗原部位の合成ペプチドを塗布したセルロース膜によるブロットアッセイを行った. 対象血清:WHO精度パネル(HIV-1, HIV-2, HIV-1+2, 陰性血清を含む), Guinea BissauのHIV-2単独感染血清, GanaおよびFranceのHIV-2およびHIV-1/2血清 結果および考察:HIV-1の高抗体価の血清は2型のPAでも反応し, それらは2型のWBでもしばしば反応し, 重感染のように見えたがブロットアッセイによってHIV-1単独感染であることが確認された. 2型も同様な結果であり, WBも交叉反応を示し, WBだけの確認試験では不適切な判定をする可能性があることがわかった. なお, ブロットアッセイも明らかな単独感染については判定が容易であるが1と2の両方に反応した場合両方のバンドの濃さの比較によって判定することは経験が必要であり, 重感染か単独感染者かを判定するのは容易でなかった. 従って, 重感染か交叉反応かを知るには吸収試験をするなどしても血清学的検査では限界があり, 最終判定はウイルスの分離またはPCRによる遺伝子解析が必要であろう. |
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ISSN: | 0546-1448 |