C型関連肝疾患におけるHCV抗体の内訳の検索
【目的】最近, HCV抗体について, Core(Core)あるいは非構造領域(NS)に対する抗体, 各々を単独, かつ定量的に測定するキットが開発された. 今回, HCV抗体(第II世代)陽性の各種肝疾患について各抗体の検出率, 抗体価について検討したので報告する. 【対象・方法】対象とした症例は, 無症候性キャリア(ASC)20例, 慢性肝炎(CH)15例, 肝硬変(LC)22例, 肝細胞癌(HCC)18例の計75例である. 抗体検出について, HCV(Core+NS3・4)抗体はイムチェック(国際試薬), Core抗体, NS4・5抗体は各々, ケモセロ「JCC-2」, 「HCV NS-A...
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Zusammenfassung: | 【目的】最近, HCV抗体について, Core(Core)あるいは非構造領域(NS)に対する抗体, 各々を単独, かつ定量的に測定するキットが開発された. 今回, HCV抗体(第II世代)陽性の各種肝疾患について各抗体の検出率, 抗体価について検討したので報告する. 【対象・方法】対象とした症例は, 無症候性キャリア(ASC)20例, 慢性肝炎(CH)15例, 肝硬変(LC)22例, 肝細胞癌(HCC)18例の計75例である. 抗体検出について, HCV(Core+NS3・4)抗体はイムチェック(国際試薬), Core抗体, NS4・5抗体は各々, ケモセロ「JCC-2」, 「HCV NS-Ab」(共にオーソ社)のキットを用い, 全てEIA法で測定した. 抗体価はカットオフインデックス(COI)で表し, 検体に応じ, 10, 100, 1000倍に希釈して測定し, 得られた結果に各々の希釈倍数を乗じ, 最終の抗体価とした. 【成績】Core抗体について, ASC, HCCで各1例ずつ(各約5%)陰性例がみられた. 一方, NS4・5抗体については, ASCで45%, CHで約13%, LC, HCCでは共に約27%の陰性例が認められた. 各疾患別でのHCV(Core+NS3・4)抗体価に関して, ASCでは全て600未満の比較的低値を示したが, CH, LC, HCCと病態が進むにつれて, 600以上の高い値を示す例が, CHで約13%, LCおよびHCCで約40%と増加していた. Core抗体価については, 各疾患での顕著な差は認められなかった. 一方, NS抗体価については, HCV抗体価と同様, 病態の進行に伴い高値を示す例が多くなっており, ASCではCOI:30以上が僅か10%しか認められなかったが, 他の疾患群では30~50%に認められた. また, Core抗体価とNS抗体価の関係を組合せで見ると, ASCでは両者同等あるいはCore抗体価の高い症例が殆どであったが, CH, LCおよびHCCでは, NS抗体価の高い症例が20~30%に認められた. 【結語】1. NS抗体については, ASCの45%が陰性を示し, 他の肝疾患群に比べ高率であった. 2. HCV抗体, NS抗体について, 病態の進行に伴いCOI高値を示す例が増加するが, Core抗体については疾患による差異は見られなかった. 3. ASCではCore抗体価はNS抗体価と同等か, 高値を示したが, CH, LC, HCCではNS抗体価が高値を示す症例が20~30%に認められた. |
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ISSN: | 0546-1448 |