白血球除去血液製剤に残存する微量白血球の測定
輸血において, 非溶血性発熱反応, 血小板輸血無応状態, 移植片対宿主反応, ウイルス感染などの輸血副作用は血液製剤中の混在白血球に起因する1)~3). この混在白血球を除去するため, 白血球除去フィルターの開発4)~8), アフェレーシス機器9)の改良, トップ&ボトム方式10)11)等のバッフィーコート除去による血液製剤の調製など, 多くの試みがなされてきている. フィルターやアフェレーシス機器の改良により, 従来の自動血球計数装置や血球計算板ではこれらの処理によってもごくわずかに残る残存白血球数の正確な測定は難しい. しかしその白血球数を正確に計測することは白血球除去血液製剤の品質管理の...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1994, Vol.40 (1), p.54-61 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 輸血において, 非溶血性発熱反応, 血小板輸血無応状態, 移植片対宿主反応, ウイルス感染などの輸血副作用は血液製剤中の混在白血球に起因する1)~3). この混在白血球を除去するため, 白血球除去フィルターの開発4)~8), アフェレーシス機器9)の改良, トップ&ボトム方式10)11)等のバッフィーコート除去による血液製剤の調製など, 多くの試みがなされてきている. フィルターやアフェレーシス機器の改良により, 従来の自動血球計数装置や血球計算板ではこれらの処理によってもごくわずかに残る残存白血球数の正確な測定は難しい. しかしその白血球数を正確に計測することは白血球除去血液製剤の品質管理の上で, また輸血副作用発症の機序を明らかにしていく上で重要である. 我々はフローサイトメターを用いてこの残存微量白血球を測定する方法を開発してきた12)13). しかしフローサイトメターは高価であると同時にその使用目的が限られており, 白血球除去血液製剤の品質管理の上で不可欠な, 赤血球, 血小板数の測定には複雑な調整を必要とする. 我々は従来網赤血球の測定機14)15)として使用されてきたSysmex R-2000 16)(東亜医用電子, 神戸)を改造し, 白血球除去血液製剤中の微量白血球数の測定が可能で, かつ赤血球数, 血小板数測定機能も持ち合わせたSysmex RU-2(仮称)を開発し, その有用性を確かめたので報告する. |
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ISSN: | 0546-1448 |