まれな血液型の検索と供給状況

血液センターでは, 適合血の得にくいまれな血液型について, 検索と登録者確保に努めている. 今回, 当センターにおけるまれな血液型の検出数と供給状況を報告する. 材料及び方法：モノクローナル抗体-抗HrO, 抗K2, 抗InLu(大阪センター製), 抗Ge, 抗En^a , 抗HI(熊谷センター製), 抗Cr(中央センター製), 他に, 2M尿素を用い, 自動輸血検査装置PK7100にて行った. さらにRh陰性者には, 抗Fy^a , 抗Jr^a , 抗Di^a , 抗Tj^a , 抗Gy^a , 抗s-献血者由来及び市販血清を用いた用手法による抗原スクリーニングを加えている. 成績：まれな血液型の検出数は, TOTAL153例であった. 過去5年間の供給数は30unitで, Fy(a-)型が最も多かった. また, 29/30unitを解凍赤血球で供給した. 考察：モノクローナル抗体を使用したまれな血液型の抗原スクリーニングが, 自動輸血検査装置導入によって, 検索対象数が拡大した. 検査法が簡便でコストが軽減された. 抗体をもたないまれな血液型の検索が可能となった. モノクローナル抗体の使用は, まれな血液型の検索に有用である.