採血バッグの加圧減圧式採血装置と連結した膜型血漿分離システム (テルモMS-201) の臨床評価
原料血漿の確保が血漿分画製剤の国内需給に向けて急務であるが, 血液センターの努力によって, 血漿分画製剤中凝固因子製剤は, 90%以上の自給率となったが, アルブミンのそれは未だ20%と, 完全な自給にははるかに及ばない状況にある. 今後さらに完全な自給化を成し遂げるためには, より簡便で安全かつ安価な採漿システムの導入が望まれる. 現在, 血漿採取の方法としては大別して遠心分離法と膜分離法がある. 遠心分離法は従来から行われている方法で現在の主流であるが, 比較的大きな装置が必要であり, 採取された血漿に血球が混入する欠点がある. 一方, 膜分離法は比較的簡便な装置で実施でき, 血球の混じら...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1993, Vol.39(6), pp.959-966 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 原料血漿の確保が血漿分画製剤の国内需給に向けて急務であるが, 血液センターの努力によって, 血漿分画製剤中凝固因子製剤は, 90%以上の自給率となったが, アルブミンのそれは未だ20%と, 完全な自給にははるかに及ばない状況にある. 今後さらに完全な自給化を成し遂げるためには, より簡便で安全かつ安価な採漿システムの導入が望まれる. 現在, 血漿採取の方法としては大別して遠心分離法と膜分離法がある. 遠心分離法は従来から行われている方法で現在の主流であるが, 比較的大きな装置が必要であり, 採取された血漿に血球が混入する欠点がある. 一方, 膜分離法は比較的簡便な装置で実施でき, 血球の混じらない血漿が得られることから血漿採取方法として注目され, いくつかのシステムが開発されて, 実地に導入されつつある. これまで行われてきた血漿成分献血は, 血液センター内及び献血ルームに於いて実施される例がほとんどであり, 今後さらに成分献血を推し進めて行くためには, 献血の約85%を占めている移動採血車における成分献血の実施が必要とされるであろう. しかし, これまで検討されてきたシステムは狭い採血車内での実施には向かないものであり1), また使用前にシステムを生食でプライミングする必要があった2). 今回, 採血バッグの加圧減圧式専用装置と組合わせることによって移動採血車に於いても実施可能且つプライミング操作不要で操作性が優れている膜型血漿分離システム(テルモMS-201)を使用する機会を得, その安全性および性能の検討を行ったので報告する. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.39.959 |