術前に抗Sda 抗体の判明した外傷性大腿骨骨折患者の輸血経過について

今回我々は, 抗Sd^a 抗体を有していた交通外傷患者の人工骨頭再置換術施行時に合計33単位の不適合輸血が行われた症例を経験した. 不適合輸血約2週間後にLDH531U/l, T. Bil 1.5mg/dl, 網状赤血球24%. と上昇し尿潜血も陽性となった. 抗体価はAGTで256倍まで上昇した. 抗Sd^a 抗体のIgGサブクラスはIgG3で, 免疫貧食試験性を示し, 単球との結合能を有していた. 今回の症例は臨床的に明らかな溶血所見は認められなかったが, 検査データー的には軽度の遅発性溶血反応が疑われた. 抗Sd^a 抗体は通常溶血反応の原因にはならないと言われているが, 不適合輸血の結...

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Hauptverfasser: 大河原千恵, 大沢裕美, 長谷川京子, 作間靖子, 神林裕行
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は, 抗Sd^a 抗体を有していた交通外傷患者の人工骨頭再置換術施行時に合計33単位の不適合輸血が行われた症例を経験した. 不適合輸血約2週間後にLDH531U/l, T. Bil 1.5mg/dl, 網状赤血球24%. と上昇し尿潜血も陽性となった. 抗体価はAGTで256倍まで上昇した. 抗Sd^a 抗体のIgGサブクラスはIgG3で, 免疫貧食試験性を示し, 単球との結合能を有していた. 今回の症例は臨床的に明らかな溶血所見は認められなかったが, 検査データー的には軽度の遅発性溶血反応が疑われた. 抗Sd^a 抗体は通常溶血反応の原因にはならないと言われているが, 不適合輸血の結果抗体価が上昇し, 不適合血中のSd^a 抗原の強い血球を溶血させたものと考えられた. 発表にあたり御指導頂きました宮城,福島両血液センターと福島医大輸血部の皆様に深謝致します.
ISSN:0546-1448