赤血球MAP「日赤」導入後の赤血球製剤の利用状況について

福岡県赤十字血液センターでは, 赤血球長期保存液M・A・P(42日保存可能)を用いた, 赤血球MAP「日赤」(RC-MAP)が平成4年1月に製造認可されたことに引き続き, 早速その導入を開始した. これに伴い当院でも平成4年4月よりRC-MAPの供給を受けるようになり, 現在は400ml献血由来の赤血球成分は一部を除きすべてRC-MAPを使用している. そこでRC-MAP導入を伴う赤血球成分の利用状況の変化について調査, 検討を試み若干の知見を得たので報告する. 調査の対象としたのは, RC-MAP導入前後の1991年及び1992年の5月~10月のそれぞれ6ヵ月間で, 各々の期間中の200ml...

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Hauptverfasser: 坂口恵, 川島博信, 後藤潮, 杉崎栄, 濱崎直孝, 鷹野壽代, 丹生恵子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:福岡県赤十字血液センターでは, 赤血球長期保存液M・A・P(42日保存可能)を用いた, 赤血球MAP「日赤」(RC-MAP)が平成4年1月に製造認可されたことに引き続き, 早速その導入を開始した. これに伴い当院でも平成4年4月よりRC-MAPの供給を受けるようになり, 現在は400ml献血由来の赤血球成分は一部を除きすべてRC-MAPを使用している. そこでRC-MAP導入を伴う赤血球成分の利用状況の変化について調査, 検討を試み若干の知見を得たので報告する. 調査の対象としたのは, RC-MAP導入前後の1991年及び1992年の5月~10月のそれぞれ6ヵ月間で, 各々の期間中の200ml由来赤血球濃厚液(CRC), 400ml由来CRC(1992年度はRC-MAP), 及び洗浄赤血球の血液センターからの供給本数・使用数・返品数・返品率を調べた. 200ml由来CRCはRC-MAP導入前後で使用数, 返品数とも大差なく, 返品率はいずれの期間も20%を越えていた. 400ml由来CRC又はRC-MAPでは, RC-MAP導入前後で使用本数は, ほとんど変化がたかったが, 返品率は導入前15%から導入後は0.2%と激減した. 洗浄赤血球はRC-MAP導入後に約90%の減少をみた. RC-MAP導入後は400ml由来赤血球成分は, 血液センターより供給された製剤がほとんどすべて廃棄されることなく輸血に用いられているが, 200ml由来CRCは相変わらず高い返品率を示しており有効期限延長の効果が如実に現われている. また, 洗浄赤血球からRC-MAPと白血球除去フィルターの併用への切り替えを臨床側へ要望したことが, 洗浄赤血球の使用減少につながったと思われる. RC-MAPの導入で, 赤血球成分の有効期限が延長したことによる血液の有効利用効果は予想以上のものがあり, これは血液センター側の円滑な需給調整にも寄与するものと思われる.
ISSN:0546-1448