低力価Jrα 抗体による慢性溶血性貧血を呈し, 左心低形成を合併した胎児水腫の1例

症例:日齢0の女児, 胎児水腫を主訴に近医より母体搬送となり, 胎児仮死徴候を認め, 同日緊急帝王切開にて出生となる. 出生時体重1,932g, Apgar score(1分1点, 5分4点). 末梢血RBC258万/μl, Hb10.3g/dl, Ht34.5%, Plt2.3万/μl, 臍帯血RBC235万/μl, Hb9.3g/dl, Ht31.3%, Plt3.2万/μlと貧血を認め, T.B1.5mg/dl(D.B0.9mg/dl, LDH7, 820, fibrinogen80mg/dlであった. DICを疑い, 交換輸血を試みたが循環不全進行のため, 30mlで中止した. 患児は...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1993, Vol.39 (3), p.670-670
Hauptverfasser: 前田美和, 西田幸世, 石本盛治, 河本順雄, 辻内智美, 下山丈人, 藤村吉博, 西久保敏也, 高橋幸博, 一条元彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:日齢0の女児, 胎児水腫を主訴に近医より母体搬送となり, 胎児仮死徴候を認め, 同日緊急帝王切開にて出生となる. 出生時体重1,932g, Apgar score(1分1点, 5分4点). 末梢血RBC258万/μl, Hb10.3g/dl, Ht34.5%, Plt2.3万/μl, 臍帯血RBC235万/μl, Hb9.3g/dl, Ht31.3%, Plt3.2万/μlと貧血を認め, T.B1.5mg/dl(D.B0.9mg/dl, LDH7, 820, fibrinogen80mg/dlであった. DICを疑い, 交換輸血を試みたが循環不全進行のため, 30mlで中止した. 患児は心不全にて日歳5で死亡した. 結果:患児(A型Rh(D)陽性)抗体スクリーニング検査にて直接Coombs陽性を呈した. 母体血(A型Rh(D)陽性)精査にてJr^a 抗体検出. 抗体価は8倍, サブクラスはIgG1, G4であった. また患児血球から抗体溶出試験にてJr^a 抗体の解離がPEG法で確認された. 考察:患児は, 先天性心疾患の合併があり, 心不全症状を呈していた為, 胎盤循環機能不全状態をおこしていたと推察され, 低力価のIgG抗体であっても, 胎盤通過性がより亢進していたため胎児水腫を発生したものと考えられた.
ISSN:0546-1448