抗クロラムフェニコール様抗体を保有すると思われる一症例

【目的】 献血者を対象とした不規則性抗体スクリーニングにおいて, ALSEVER液存在下で非特異凝集を起こす1例が検出され, 精査した結果, 血清中に抗クロラムフェニコール(以下CFと略す)様抗体を認めたので報告する. 【症例】 症例は輸血歴を認めない献血者(A型・女性・59歳)で, 血液型に留意する点はなく, その他の献血者を対象とした検査にも異常は認められなかった. 【方法および結果】 1)抗体特異性:自家製ALSEVER液中に含まれる各種試薬をそれぞれ単独で添加した結果, CF添加時のみに自己血球およびABO式各型血球について凝集が認められた. その他の試薬添加時については凝集は認められ...

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Hauptverfasser: 小泉祐子, 小野寺孝行, 野本喜代, 村田愿
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】 献血者を対象とした不規則性抗体スクリーニングにおいて, ALSEVER液存在下で非特異凝集を起こす1例が検出され, 精査した結果, 血清中に抗クロラムフェニコール(以下CFと略す)様抗体を認めたので報告する. 【症例】 症例は輸血歴を認めない献血者(A型・女性・59歳)で, 血液型に留意する点はなく, その他の献血者を対象とした検査にも異常は認められなかった. 【方法および結果】 1)抗体特異性:自家製ALSEVER液中に含まれる各種試薬をそれぞれ単独で添加した結果, CF添加時のみに自己血球およびABO式各型血球について凝集が認められた. その他の試薬添加時については凝集は認められなかった. また, CF以外の抗生物質を添加した際についても凝集は認められなかった. 2)各種CF濃度における被凝集素価の測定:CF濃度0.1g/lで反応は消失し, 濃度依存的に凝集素価の上昇を認めた. 3)酵素(フィシン, パパイン トリブシン, ブロメリン)処理前および処理後の被凝集素価の測定:処理前と比較し, 各種酵素ともに凝集素価の上昇を認めた. 4)2ME処理後およびDTT処理血球との反応性:処理後における凝集は認められなかった. 【結論】 本例は抗CF様抗体保有例と推測され, 今後ともその消長および解析を進めるとともに, 献血者中における頻度等についても調査して行きたい.
ISSN:0546-1448