プレートハイブリダイゼーション法によるHLA-DRB1遺伝子のDNAタイピング

HLAが移植における臓器提供者の検索や, さまざまな疾患感受性の解析等, 多くの分野に有用な情報をもたらしている現在, 正確, 迅速でかつ簡便なHLAのタイピング方法が求められている. そこで我々は, 簡便なHLAのDNAタイピング法としてマイクロプレートを用いたハイブリダイゼーション法を開発し, genericなタイピング(DR1-DR10)への応用を昨年の第1回日本組織適合性学会大会に於いて発表した. 我々の開発した方法は, タイピング用のSSOを含むssDNAを96穴のマイクロプレートに固定し, これと5端がビオチン標識されたPCR産物とをハイブリダイゼーション後, ハイブリダイズしたP...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1993, Vol.39 (2), p.495-495
Hauptverfasser: 川井信太郎, 前川尻真司, 山根明男, 徳永勝士, 十字猛夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:HLAが移植における臓器提供者の検索や, さまざまな疾患感受性の解析等, 多くの分野に有用な情報をもたらしている現在, 正確, 迅速でかつ簡便なHLAのタイピング方法が求められている. そこで我々は, 簡便なHLAのDNAタイピング法としてマイクロプレートを用いたハイブリダイゼーション法を開発し, genericなタイピング(DR1-DR10)への応用を昨年の第1回日本組織適合性学会大会に於いて発表した. 我々の開発した方法は, タイピング用のSSOを含むssDNAを96穴のマイクロプレートに固定し, これと5端がビオチン標識されたPCR産物とをハイブリダイゼーション後, ハイブリダイズしたPCR産物をアルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンにより発色させ判定する. 今回我々は, genericなタイピングに加えて本方法のDRB!遺伝子のサブタイピングヘの応用について検討した. 実際には1サンプル当たり, genericなタイピング用に11種類, サブタイピング用に5種類, 合計16種類のウエルを使用する. ただし, DR4の場合には, PCR-SSO法の場合と同様にgroup specific amplification後DR4サブタイピング用プレート(7種類)を用いる. 本方法を用いてタイピングを行った結果, 血清学的なLCT法, 或いは1℃R-SSO法の結果と良く一致した. またタイピングに要する時間は, PCRの時間を含めて5時間弱であった. genericタイピングに関しては, 既に多数のサンプルについて検討しているが血清学的に得られた結果とほぼ一致しており, 本法の正確性, 再現性は非常に高い. このように, 本法は正確性, 再現性が良く操作も非常に簡便であるので, 今後HLAのDNAタイピングの分野で威力を発揮するものと考えられる.
ISSN:0546-1448