DR2グループのクラスIIハプロタイプについて

【目的】日本人におけるHLA-DR2の多くが, CBL-B52-BfS-C4A3+2-C4BQO-DR15-DQ1のMHCハプロタイプに含まれており, DNAタイピングで決定されたクラスIIハプロタイプはDRB1*1502-DRB5*0102-DQA1*0103-DQB1*0601である. われわれは, このハプロタイプ以外にDR2をもつ, 2つのMHCハプロタイプ(CBL-B48-BfS-C4A4-C4B2-DR15-DQ7, Cw7-B67-BfS-C4AQO-C4B1-DR16-DQ1)を既に報告している. 今回, これら2つのMHCハプロタイプに含まれるクラスIIハプロタイプを, PC...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1993, Vol.39 (2), p.494-494
Hauptverfasser: 田中秀則, 坂内誠, 伊藤八重子, 伊藤圭一, 志賀淳一, 平川和也, 徳永勝士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】日本人におけるHLA-DR2の多くが, CBL-B52-BfS-C4A3+2-C4BQO-DR15-DQ1のMHCハプロタイプに含まれており, DNAタイピングで決定されたクラスIIハプロタイプはDRB1*1502-DRB5*0102-DQA1*0103-DQB1*0601である. われわれは, このハプロタイプ以外にDR2をもつ, 2つのMHCハプロタイプ(CBL-B48-BfS-C4A4-C4B2-DR15-DQ7, Cw7-B67-BfS-C4AQO-C4B1-DR16-DQ1)を既に報告している. 今回, これら2つのMHCハプロタイプに含まれるクラスIIハプロタイプを, PCR-SSCPあるいはPCR-RFLP法によるDNAタイピングで決定した. PCR-SSCP法によるDRB5のタイピングについても検討を行ったので報告する. 【方法】HLA-A, B, C, DR, DQのアロタイピングは, 通常のLCT法で行った. また, C4及びBfのアロタイピングも従来の電気泳動法で行った. DRB1, DRB5のDNAタイプは特異的なプライマーによりPCRで増幅しSSCP(Single-Strand Conformation Polymorphism)法で決定した. DQA1およびDQB1のDNAタイプについてはPCR-RFLP法により判定を行った. 【結果】今回, 新たに試みたPCR-SSCP法によるDRB5のDNAタイピングでは, DRB5*0101, 0102, 02の3つのアリールの決定が可能であった. CBL-B48-BfS-C4A4-C4B2-DR15-DQ7のMHCハプロタイプ中には, DRB1*1501-DRB5*0101-DQA1*0501-DQB1*0301ハプロタイプが認められた. また, もう一方のMHCハプロタイプ(Cw7-B67-BfS-C4AQO-C4B1-DR16-DQ1)のクラスIIハプロタイプはDRB1*1602-DRB5*02-DQA1*0102-DQB1*0502であった. 【考察】これまでに種々の民族において, DR2をもつ18種類のクラスIIハプロタイプが報告されている. 今回決定された, DRB1*1501-DRB5*0101-DQA1*0102-DQB1*0301については, 白人の一部に認められているだけであった. また, DRB1*1602-DRB5*02-DQA1*0102-DQB1*0502については, 中国北部の集団とオセアニア地域の集団に認められている. しかし, これらの民族におけるMHCハプロタイプ(補体及びクラスIのハプロタイプを含む)の報告はなく, 今回見い出されたハプロタイプとの異同は明らかではない. また, DR2関連の抗血清はハプロタイプを組んでいる他のHLA抗原によって様々な反応パターンを示すことが言われている. DR2グループのクラスIIハプロタイプをDNAレベルで決定することが, これらの解析の参考になると思われる.
ISSN:0546-1448