耐遠心性ポリオレフィン800mlバッグによる高単位血小板製剤の保存について

【目的】血液センターで調製する血小板製剤(PC)は全血献血由来の小単位製剤から成分献血由来の高単位製剤へと変わりつつある. 成分献血においてもより高単位製剤の調製割合が増えてきている. 今回, 耐遠心性で, 高単位PC(20単位相当)保存用として開発されたポリオレフィン(PO)バッグを用いてPCを6日間保存し, 血小板の保存性について検討した. 【方法】血液成分採血装置を用いて血小板採血(n=8)を行い, 同時に採取した血漿を用いて血小板濃度が約200×10^4 /μlで, 全量200mlになるように川澄化学社製PO800mlバッグに調製した. PCは, 24℃で水平振盪保存し, 血小板機能検...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1993, Vol.39 (2), p.452-452
Hauptverfasser: 吉田祐子, 北川英男, 沖学, 矢原靖司, 渡邊正年, 市川俊二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】血液センターで調製する血小板製剤(PC)は全血献血由来の小単位製剤から成分献血由来の高単位製剤へと変わりつつある. 成分献血においてもより高単位製剤の調製割合が増えてきている. 今回, 耐遠心性で, 高単位PC(20単位相当)保存用として開発されたポリオレフィン(PO)バッグを用いてPCを6日間保存し, 血小板の保存性について検討した. 【方法】血液成分採血装置を用いて血小板採血(n=8)を行い, 同時に採取した血漿を用いて血小板濃度が約200×10^4 /μlで, 全量200mlになるように川澄化学社製PO800mlバッグに調製した. PCは, 24℃で水平振盪保存し, 血小板機能検査として, 0日目並びに3, 5, 6日間保存後の血小板数, pH, 血液ガス(pO_2 , pCO_2 ), HPV, β-TG, 変形能, 凝集能を測定した. なお, バッグのガス透過率はガス透過率測定装置(東洋情機製作所)により測定した. 【結果】POバッグの酸素透過率は1900立方センチメートル/day・atm・平方メートルで, 塩化ビニル製バッグ(膜厚0.4mm)の約3.2倍であった. 総血小板数は3.8±0.3×10^11 /bagで, 0日目と3日間保存後のpH, PO_2 , pCO_2 , MPV, β-TG, 変形能, 凝集能は, それぞれ7.07±0.07, 99.5±9.4mmHg, 82.5±13.2mmHg, 7.8±0.3fl, 0.12±0.05μg/10^9 plateiets, 95.7±7.5%, 86.8±10.8%, 並びに7.19±0.05, 55.6±12.9mmHg, 56.9±4.7mmHg, 7.5±0.3fl, 0.24+0.07μg/10^9 platelets, 78.7±22.3%, 82.0±6.8%であった. また, 6日間保存後のそれらは, それぞれ7.07±0.07, 58.5±12.3mmHg, 55.4±5.5mmHg, 7.6±0.4fl, 0.43±0.06μg/10^9 platelets, 68.6+30.8%, 65.2±6.6%であった. 【結論】今回検討したPOバッグは, 20単位相当のPCを採血後6日間, 血小板機能を損なうことなく保存できた. このバッグは耐遠心性を有することから, PCの濃縮および洗浄後の保存にも使用可能である.
ISSN:0546-1448