RC-M・A・Pに生成するマクロアグリゲートについて
【目的】新しい赤血球製剤RC-M・A・P(RC)は, 輸血副作用の軽減, 有効期間の延長及び輸血の簡便さなど多くの利点を有する一方で保存中に巨大凝集塊(マクロアグリゲート:MA)を生成し, まれに輸血フィルターに目詰まりをおこして輪血できなくなることがある. このMAの生成とその本質について検討した. 【材料及び方法】200ml,400ml全血を4℃及び22℃で遠心後, 血液自動分覆装置を用いてRCを調製し4℃に保存した. 保存中に生成したMAを光学顕微鏡, 電子顕微鏡で観察するとともに, 8M尿素(2%SDS加)で溶艀後SDS-PAGEを行った. 対照にはフィブリン塊, 血小板, 白血球を使...
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Zusammenfassung: | 【目的】新しい赤血球製剤RC-M・A・P(RC)は, 輸血副作用の軽減, 有効期間の延長及び輸血の簡便さなど多くの利点を有する一方で保存中に巨大凝集塊(マクロアグリゲート:MA)を生成し, まれに輸血フィルターに目詰まりをおこして輪血できなくなることがある. このMAの生成とその本質について検討した. 【材料及び方法】200ml,400ml全血を4℃及び22℃で遠心後, 血液自動分覆装置を用いてRCを調製し4℃に保存した. 保存中に生成したMAを光学顕微鏡, 電子顕微鏡で観察するとともに, 8M尿素(2%SDS加)で溶艀後SDS-PAGEを行った. 対照にはフィブリン塊, 血小板, 白血球を使用した. また, 血液細胞成分を単離し, 血漿及びMAP液を組み合わせて人工的にMAの生成を試みた. さらにRCとその原料として使用した全血についてSysmox K-2000を用いて血球計数を行い, RCについては保存中の細胞成分の変化を経日的に測定した. 同時に, 調製直後のRC中のDNA量を測定するとともに保存後生成したMAとそのMA分取後のRC中のDNA量を測定した. 【結果】遠心温度の違いによるMAの生成には変化がなかった. MAは光顕, 電顕像から, 白血球と赤血球が含まれる塊であることが確認されたが, フィブリンの存在は確認できなかった. SDS-PAGEでもフィブリン分子に相当するバンドは確認できず, 白血球由来成分と類似の像が認められた. MAの人工的生成実験では単独血液細胞成分とMAP液との組み合わせでは生成せず, 少量であっても全血液成分を含む場合にのみ生成した. RC中の白血球数の経日変化では顆粒球が保存2日目から著明に減少した. MA中のDNA量とMA重量との間には正の相関(r=0.89)があり, RC中の全MA量に対するM中のDNA量の割合と白血球残存率との間には負の相関(r=-0.91)が認められた. また, MAをDNAaseI処理することにより塊は分解した. 【結論】MAは少量であっても全血液成分が含まれている場合にMAP液との混合によって生成し, その本質は顆粒球に由来するDNAが集合体を形成して, それにその他の白血球や赤血球などが取り込まれたものと考える. |
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ISSN: | 0546-1448 |