肺炎球菌敗血症により赤血球のTh活性を発現した一症例

【目的】Th Polyagglutinationは, 1978年にBirdらによリ”peanut-positive polyagglutination”の第3型として発見されている. 今回我々は, Th活性を示すPolyagglutinationを経験し若干の検討を行ったので報告する. 【症例】TTは, 64才男性. 肺炎および呼吸不全, ショックにより本院に入院. 患者赤血球とArachis hypogaeaレクチンとに凝集がみられ, 血液培養から肺炎球菌が検出された. 【方法】血球側検査は, 各種レクチン(市販製と自家製)を用いた. 血清側検査として, T化処理赤血球には乾燥RDE(武田社...

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Hauptverfasser: 秋林建, 山本成郎, 荒木康彦, 梅木一美, 大瀧幸哉
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】Th Polyagglutinationは, 1978年にBirdらによリ”peanut-positive polyagglutination”の第3型として発見されている. 今回我々は, Th活性を示すPolyagglutinationを経験し若干の検討を行ったので報告する. 【症例】TTは, 64才男性. 肺炎および呼吸不全, ショックにより本院に入院. 患者赤血球とArachis hypogaeaレクチンとに凝集がみられ, 血液培養から肺炎球菌が検出された. 【方法】血球側検査は, 各種レクチン(市販製と自家製)を用いた. 血清側検査として, T化処理赤血球には乾燥RDE(武田社製)を用い, Tk化赤血球は岐阜大学嫌気性菌実験施設渡辺助教投より分与されたBacteroides fragilis株培養上清を使用し正常赤血球を処理したものを用いた. 【成績】1. 患者血清と正常赤血球を37℃6時間の加温によリTh化を認めた. 2. 検出された肺炎球菌の培養上清と正常赤血球の5分間加温ではTh化となり, 10分以上の加温では赤血球のT化を生じた. 3. TT血球とレクチンとの凝集反応は, Arachishypogaea(4+), Papain処理Arachis hypogaea(-), Salvia sclarea(-), Salvia horminum(-), Glycine soja(-), BSII(-)及びPolybrene(1+)であった. 4. 血清抗体検査として, T化処理赤血球, Tk化処理赤血球との凝集によリ抗T, 抗Tk抗体を認めた. その他の不規則抗体は何ら認めなかった. 5. 各種の糖類とArachis hypogaeaレクチンとの赤血球凝集抑制試験およびウェスタンブロッティング法によるArachis hypogaeaレクチンの結合部位については現在検討中である. 【結論】上記の結果よリ, 患者の赤血球異常は, 肺炎球菌酵素によるTh-Polyagglutinationと同定した. Th化に関し, Thullら(1989)によれば赤血球の脱シアル化が
ISSN:0546-1448